その言葉の意味は、日本車のシェアにある。街を走っている乗用車はほとんどがトヨタや日産といった日本メーカー製だ。
パキスタン自動車工業会のまとめによると、2016年7月〜17年6月に販売された乗用車18万5781台のうち、現代自動車(韓国)が販売した1台をのぞくすべてが日本車だ。工業会に加盟していないメーカーもあり、完全に実態を反映した数字ではないというが、地元関係者によると「少なく見積もっても97%は日本車」だという。
「1980年製のトヨタにいまだに乗っているが、壊れる気配もない」(パキスタン人大学教授)と話すユーザーも多く、他国メーカー製の新車よりも、日本車の中古の方が高値で取引されることも多いという。
米「テロリストに避難所提供」
パキスタンは2000年代に入って、テロとの戦いが続き、パキスタン・タリバン運動(TTP)などイスラム過激派勢力に対する軍事掃討作戦が進められてきた。特に激しい戦闘が繰り広げられたのは、パキスタン北西部のアフガニスタン国境に近い連邦直轄部族地域(トライバルエリア)で、武装勢力に一時は20%ほどの地域が支配された。
「武装勢力側との戦いはすでに落ち着いた。現地への旅行受け入れも始まっている」と話すのは、トライバルエリア中部にあるミランシャーの軍当局者だ。