沖縄で宿泊キャンセル相次ぐ 観光業打撃

利用客が少なく、閑散とする那覇空港=8日午後

新型コロナウイルスの新変異種「オミクロン株」の感染拡大が、回復途上だった観光需要に暗い影を落としている。9日から蔓延(まんえん)防止等重点措置が適用された沖縄県では観光客が急減するなど、各地で感染の「第6波」襲来への警戒感が高まり、旅行消費にブレーキがかかる懸念が出てきた。

「また振り出しに戻った」。沖縄県のホテルでは宿泊予約のキャンセルが相次いでおり、帰省客らでにぎわった年末年始とは一転した様相を見せている。

「せっかく宿泊客が戻ったのに…」。那覇市のホテルの担当者はこう漏らす。

県内で感染者が急増し始めた5日には、早くもキャンセルの連絡が予約件数を上回った。前回の緊急事態宣言が明けた昨秋ごろから客足が戻り始め、年末年始には客室稼働率がコロナ禍前の水準に近づくこともあったという。それだけに感染再拡大を受けた顧客離れに肩を落とした。

全国では感染状況が落ち着いていた昨年後半から隣接県など近場の旅行から観光需要が戻り、ある大手旅行代理店では今回の年末年始の利用者数が前回に比べ首都圏や近畿圏は約3倍に達したという。ただ、離島の沖縄は約1・5倍にとどまり、担当者は「需要が戻るのはこれからだったのに状況が変わった」と話す。

早ければ今月下旬とされた政府の観光支援策「Go To トラベル」の再開の行方も不透明となった。斉藤鉄夫国土交通相は7日の閣議後会見で「再開に当たっては感染状況が落ち着いていることが大前提だ」と述べた。

政府はトラベル事業再開までの代替として、都道府県による旅行割引の費用を支援。観光庁によると、6日時点で38道府県が「県民割」を実施しており、うち30の自治体が隣接県にまでエリアを広げた。国内全体でみれば、感染対策を徹底した上で旅行を楽しむ観光需要は底堅く、JTBなど旅行大手は10日までの三連休を含め「大きな影響は出ていない」という。ただ、オミクロン株の感染者は各地で急増しており、感染拡大が続けば観光業への打撃は避けられそうにない。(飯嶋彩希)

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