災害時に医療どう維持 九州豪雨で被災の施設「業務継続計画」に課題

 熊本県などによると、今回の豪雨で県内の医療機関は30の施設で浸水被害が発生。福岡県では47施設、鹿児島県でも3施設に被害が出た。熊本と福岡では入院患者の診療が一時的に停止し、現在も再開できていない施設も複数ある。

 災害時、医療機関がどのように業務を継続するかは、過去の災害でも課題となってきた。

 厚生労働省によると、平成23年の東日本大震災では岩手、宮城、福島の3県で医療機関が深刻な被害を受け、長期間にわたって影響が出た。これを受けて25年、厚労省は全国の病院にBCP策定を要請したが、2年前に行われた調査では、回答した全国の7294病院のうち、BCP策定済みは約25%にとどまっていた。

 なぜ、BCPの策定は進まないのか。東北大学災害科学国際研究所の佐々木宏之准教授はその要因を、「各病院にノウハウがなく、人手と費用を割けない」と指摘する。

 厚労省はBCP策定の「手引き」を公表しているが、地域事情や病院の規模で対応が分かれることから「一概には示せない」(担当者)と、明確な基準は示していない。球磨病院のように、BCPで豪雨対応を具体的に定めていなかったために実効性を欠いたケースについて佐々木准教授は、「BCPはあらゆる災害に対応したものにすべきだ」と指摘。「機材の故障などで病院の機能が停止することも想定し、診療継続のための代替案を事前に決めておくことなどが重要だ」と話した。

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