しかし、乱獲に加えて明治12(1879)年の大雪による大量死が起き、絶滅寸前まで減少。企画展では、人間とエゾシカとの関わりの歴史をたどる。
エゾシカ猟は長い禁猟期を経て昭和32年から区域ごとに解禁されていった。それにもかかわらず、繁殖力の強いエゾシカは約30年前から北海道東部で増え始め、農林業被害や交通事故が問題化。ここ10年は、生息域が西へ拡大して北海道全域に広がった。
「急増した要因は多数あるが、いずれも人間が関わっている」と水島さん。
要因の一つには、天敵だったエゾオオカミが絶滅して繁殖しやすくなったことがある。大量死を引き起こす大雪が少なくなったことや、エサ場となる牧草地が広がったことなども頭数の急増につながった。また、道東での道路整備が進んだ際、道路の法面(のりめん)に草が植えられたことなどが考えられるという。
肉を料理に
生息域の拡大に伴い、食害などへの対策が急務となっている。その一つが、捕獲したエゾシカを無駄に殺すのではなく、肉や皮革を有効に利用することだ。
安全なシカ肉を流通させるため、食肉処理施設の認証制度などが整ってきており、北海道や首都圏など各地の飲食店でエゾシカのステーキやカツレツなどが食べられるようになった。企画展では、捕獲に用いられる囲いわなや加工食品のレトルトカレー、つくだ煮の瓶詰なども展示している。
水島さんは「道東では増加は落ち着いてきたが、札幌近郊などでは増えている。野生動物と人間との関わりを考える機会にしてほしい」と話している。
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企画展「エゾシカ」は12月15日まで。月曜休館。