一般社団法人ピーペック
~無理なく健康的な選択ができる環境デザインへ~
一般社団法人ピーペック(東京都世田谷区、代表理事:宿野部武志)は、特定非営利活動法人日本医療政策機構(HGPI)との共催により、「慢性腎臓病(CKD)対策政策ラウンドテーブル~無理なく健康的な選択ができる環境デザインへ~」を2026年11月24日(火)に品川で開催します。
 CKDとともに生きる当事者、腎臓・糖尿病の専門医、疫学や行動変容理論の研究者、臨床医、家庭医が一堂に会し、冒頭には厚生労働省の担当課(がん・疾病対策課)課長補佐からのご挨拶もいただきます。日本のCKD対策を「個人の自己責任」から「エビデンスに基づく環境デザイン」へと転換するため、実行可能な合意づくりを目指します。
 本ラウンドテーブルは招待制ですが、報道関係者の皆様には取材席をご用意しています。ぜひご取材ください。

開催の背景

 慢性腎臓病(CKD)の患者数は、成人の5人に1人にあたる約2,000万人と推計されており(日本腎臓学会「CKD診療ガイド2024」)、誰もがなりうる身近な病気です。
 国は、国民の健康寿命の延伸と健康格差の縮小を目指す観点から、健康日本21に特定健診や特定保健指導などの目標を立て、情報提供や健診の充実を進めてきました。しかし、そうした健康に関する知識や意欲があっても、外食や弁当では塩分を控えたメニューが選べない、健康的な食事ほど高くつく、仕事で通院や運動の時間が取りにくいなど、生活環境が壁となり行動変容が困難な人は少なくありません。実際、厚生労働省「健康日本21(第二次)」の最終評価(令和4年10月)では、「糖尿病腎症による新規透析導入患者数」「適正体重を維持している者」「運動習慣者の割合」等が、いずれも「C(変わらない)」と判定されました。
 これを受け、国は健康日本21(第三次)で「自然に健康になれる環境づくり」を掲げ、情報提供や健診の充実に加えて、環境デザインによる施策の充実を打ち出しました。しかし、診療の現場では、限られた時間の中で生活習慣の改善を本人の努力に委ねざるを得ない場面も多く、「自然に健康になれる環境づくり」という方向性を生かすための具体的な議論が求められています。
 また、現状では、検査値が思わしくない人は、背景に生活環境による難しさがあっても、一律に「自己管理ができない人」と見られがちです。こうしたスティグマは自己効力感(その行動ができると思える自信)を下げ、行動変容をさらに難しくします。
 国の施策を現場で実行できるものにするため、当事者の実感を出発点に、多様な立場でどのような環境デザインが可能かを語り合う場として、本ラウンドテーブルを企画しました。

ラウンドテーブルの見どころ

 冒頭に、厚生労働省 健康・生活衛生局 がん・疾病対策課より、我が国の腎疾患対策の現状について話題提供をいただきます。その後、2部構成で議論します。各部とも、専門家の話題提供の後、当事者の発言から議論を始めます。
第1部 無理なく、より健康な選択をしやすい環境づくり
 健康日本21の「自然に健康になれる環境づくり」を、当事者の実感に即して続けやすい形にするには何が必要かを考えます。腎臓内科の臨床医としての経験をもち、現在は疫学を軸に臨床医学・行動科学などの知見を融合して社会への実装に取り組む福間真悟氏(広島大学大学院/京都大学大学院)が、健康的な選択を支える環境デザインについて話題提供します。
 働きながらの食事療法の難しさや、腎臓病食にかかる費用負担など、当事者の生活の実感を共有します。そのうえで、産業界・医療者・保険者などが担える役割を整理し、環境づくりの「最初の一歩」を探ります。
第2部 自己効力感を高める診療コミュニケーション
 第1部で取り上げる社会や制度の環境整備には、時間がかかります。第2部では、「明日の診療現場」で実践できる、当事者の自己効力感を高めるコミュニケーションを考えます。岡美智代氏(群馬大学大学院)が、当事者のやる気を引き出し、行動変容を後押しするコミュニケーションについて話題提供します。
 当事者が診療の中で、医療者の言葉や関わりによってやる気が高まった経験、逆に下がった経験を手がかりに、医療者と当事者のギャップを埋める方法を議論します。腎臓・糖尿病の専門医、家庭医の立場からも、現場での実践を持ち寄ります。

代表理事コメント

一般社団法人ピーペック 代表理事 宿野部武志
腎臓病とともに生きていくためには、自身の病気への正しい理解と治療・自己管理に向き合う決意と行動が必要であることは言うまでもありません。
しかし、特に自己管理においては、働きながら、家族と暮らしながら、それぞれの日常生活の中に続けられる選択肢がなければ、意志だけで続けていくことは困難です。
CKDの課題は、医療だけでは解決できません。無理なく健康的な選択がしやすい環境をどうつくるか。そして、診療の場で一人ひとりの『大切にしたい生活』に目を向けたコミュニケーションをどう築けるか。様々なステークホルダーが同じテーブルにつき共に考える本ラウンドテーブルを、その最初の第一歩にしたいと考えています。

開催概要

登壇者(敬称略)

※藤村氏は冒頭の話題提供のみのご登壇で、パネルディスカッションには加わりません。

プログラム(予定)

※プログラムは変更となる場合があります。

取材のご案内

報道関係者の取材席は15席を予定しています。先着順で受け付け、席が埋まり次第締め切りますので、お早めにお申し込みください。ご希望の方は下記「お問い合わせ先」までご連絡ください。
※登壇者への個別取材をご希望の場合は、申込時にお知らせください。調整のうえご連絡します。

今後の展開

ラウンドテーブルでの議論をもとに、ピーペックとHGPIが政策提言を共同で起草し、2027年3月までの取りまとめを目指します。議論の内容は報告書としても公表する予定です。

主催・共催団体概要

主催:一般社団法人ピーペック
「病気があっても大丈夫」と言える社会の実現を目指す団体です。法人名は「Power to the People with Chronic Conditions(病気をもつ人に力を)」の頭文字から取りました。腎臓病と透析の情報サイト「じんラボ」などを運営しています。
● 所在地:東京都世田谷区南烏山6-33-1-501
● 代表理事:宿野部武志
● ウェブサイト:ppecc.jp
共催:特定非営利活動法人日本医療政策機構(HGPI)
日本医療政策機構(HGPI: Health and Global Policy Institute)は、2004 年に設立された非営利、独立、超党派の民間の医療政策シンクタンクです。市民主体の医療政策を実現すべく、独立したシンクタンクとして、幅広いステークホルダーを結集し、社会に政策の選択肢を提供してきました。特定の政党、団体の立場にとらわれず、独立性を堅持し、フェアで健やかな社会を実現するために、将来を見据えた幅広い観点から、新しいアイデアや価値観を提供しています。日本国内はもとより、世界に向けても有効な医療政策の選択肢を提示し、地球規模の健康・医療課題を解決すべく、これからも皆様とともに活動を続けていきます。