インフラの点検、整備にデジタル技術の更なる活用を SIPが連続セミナー開催

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内閣府が主導する科学技術イノベーション実現を目指す国家プロジェクト、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)による連続セミナー(全6回)「インフラのデジタルツイン技術 社会実装の最前線」の第1回が7月2日、オンラインにて開催された。

セミナー冒頭、SIPの研究開発責任者も務める東京大学大学院新領域創成科学研究科・本田利器教授が、SIPが掲げる課題の一つである「サイバー・フィジカル空間を融合するインフラデータベースの共通基盤の構築と活用」の概要と取り組みについて説明。昨年に開催したシンポジウムでは、研究紹介だけでなく社会実装に近い技術への関心が高かったことから、今回の連続セミナーを企画したという。

講演では、株式会社InfraWalk・片山直道氏が「『InfraWalk』が描く自治体実装と持続可能なインフラの未来」と題して同社のシステムを紹介。現在の橋梁点検では、点検成果が日常の維持管理や次回点検に十分活用されず、資料も分散管理されているため、担当者交代時の引き継ぎや情報検索に課題がある一方、高度な3Dモデルを活用したシステムは自治体にとってコスト負担が大きいという現状がある。

この課題を解決するため同社は、360度画像とGIS(Geographic Information System、デジタル地図上に様々なデータをレイヤー状に重ね合わせ可視化・分析するためのシステム)を活用した低コストのインフラ管理プラットフォーム『InfraWalk』を開発。これにより、橋梁の位置や健全度、点検結果、写真、図面などを一元管理でき、360度画像上で損傷位置や関連資料を直感的に確認できるため、維持管理や災害対応、住民対応の効率化を実現できるという。

法政大学大学院社会空間情報科学研究所、アジア航測株式会の松井晋氏は「橋梁維持管理の未来を拓くデータモデル活用と業務改革の実践」と題して講演。全国に約70万あるという橋梁の老朽化が進む一方、多くの自治体では点検データが紙や個別システムで管理されており、自治体間・システム間でデータ連携ができないことが大きな課題となっているという。また、AIを活用した点検や予防保全を実現するには、AIが利用しやすい標準化されたデータ基盤が不可欠だとする。

そういった課題に対して本研究では、橋梁データを標準化・3次元化した共通データモデルを開発、データ同士の関係性をネットワーク状に管理するグラフデータベースを活用して、点検履歴や補修履歴などを一元管理するシステムを構築、約4,000橋のデータを用いて検証を行った。その結果、大量のデータにおいても高速での検索や抽出が可能であることを確認。橋梁の建設年代(竣工年)の推定や鉄筋量の推定などにも活用でき、AIによる分析や機械学習の基盤として有効であることが示されたという。

本セミナーは全6回を予定している。2回目以降の詳しい日程、申込はこちらから。https://forms.office.com/r/7ku9cP174f

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