外国人労働者の賃金、日本人の7割 安価な労働力として活用も日本の賃金に悪影響

日本の労働市場で外国人の存在感が急速に高まっている。空前の人手不足を背景に、企業が積極的に外国人を採用するようになり、政府も受け入れ拡大を後押ししてきたためだ。だが、その大半を占める安価な労働力としての外国人に頼り過ぎると、企業の生産性は上がらず、日本人の賃金上昇を妨げることにもなりかねない。

厚生労働省によると、日本の外国人労働者数は昨年10月末時点で204・8万人と過去最多を更新した。在留資格別では、永住者や日本人の配偶者など身分に基づく在留資格、高度専門職など専門的・技術的分野の在留資格がそれぞれ約3割を占め、技術実習が約2割を占める。

その多くは安い労働力として扱われ、日本人と同水準かそれ以上の収入を得ている高度なスキルを持つ人材は限定的だ。

令和6年版の経済財政白書によると、日本人と外国人の間の賃金差は28・3%。そのうち約4分の1は個人や事業所の属性の違いでは説明がつかないという。

たとえば特定技能を持つ外国人のうち、工場の生産工程に従事する労働者は日本人よりも15%程度賃金が低いほか、技能実習の場合は20%弱~30%強安い。

政府も外国人労働者の受け入れ政策を転換させる。6月には、技能実習に代わる外国人材受け入れの新制度「育成就労」を創設する改正入管難民法などが成立した。農業や建設など担い手不足の分野で外国人を受け入れて「特定技能」を持つ人材として育て、長く活躍してもらうというものだ。

やみくもに賃金の安い外国人労働者を増やすことは、国内全体の賃金を抑制することになりかねない。リクルートワークス研究所の坂本貴志研究員は「市場全体に与える影響を勘案しながら、外国人の働き手をどこまで受け入れるかを考える必要がある」と語る。

政府は外国人のほか、女性や高齢者の労働参加を促すと同時に、持続的・構造的な賃金上昇に取り組んでいる。坂本氏は「賃金コストが上がれば企業も多くの従業員を雇うわけにはいかなくなる。生産性を向上させる取り組みが自然と出てくるだろう」と話している。(米沢文)

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