鉄鋼に関しては3案が示されたが、うち1つは、中国、韓国、ロシアなど12カ国からの輸入品に最低53%の関税を課すというものだった。トランプ氏は4月11日までに判断を下すが、12カ国に米国への鉄鋼輸出量首位のカナダや、日本は含まれておらず、「韓国冷遇」が際立っている。
週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏は、こうした米国の措置について「安全保障という要因が加わっている点で、通常の貿易摩擦と異なる深い意味を持つ。トランプ政権は、北朝鮮との関係改善に突っ走る文政権を防衛戦略上、危険な存在だとみなしている」と指摘する。
企業も動き出した。米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)傘下の韓国GMが、韓国西部の群山(クンサン)にある工場を5月末までに閉鎖すると発表した。
韓国ではGM本体についても撤退懸念が広がっている。聯合ニュースによると、野党の自由韓国党は2月19日、「コリア・エクソダス(韓国脱出)が始まるという話もある」と文政権を批判した。
金融面でもトランプ政権に振り回されている。米国が金利を引き上げる「出口戦略」を進めていることから、投資資金が韓国など新興国から逆流する懸念がある。韓国が対抗して金利を引き上げた場合、深刻な家計の負債や低迷する内需がさらに悪化しかねない。