複眼ジャーナル@NYC

黄昏の「パクス・アメリカーナ」 ロックフェラー氏逝く ニューヨーク駐在編集委員 松浦肇

 ニューヨークのシンクタンク、外交問題評議会(CFR)の壁には、鼻筋の通ったハンサムな男性の肖像画が掛けられている。デービッド氏だ。米外交の青写真を描くCFRはロックフェラー家の支援を受けて立ち上がり、同氏は最古参の会員だった。

 「グローバリゼーション(国際化)」と高貴な身分の義務である「ノブレス・オブリージュ」。デービッド氏は、米国の力と美徳を体現する人物だった。

 折しも、トランプ政権では米大手銀、ゴールドマン・サックス出身者が経済、スタンダード・オイルの後継企業、米エクソンモービルの前トップが外交の手綱をとっている。民間と政府の二人三脚は相変わらずだ。

 だが、政策の中身はデービッド氏の信念とは正反対である。今の米国は保護主義が台頭し、金持ちは格差拡大に目をつぶったままだ。デービッド氏の死去は「パクス・アメリカーナ」(米国による平和)の黄昏を象徴している。

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