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バイデン政権、対サウジ「再調整」明示…決定的な悪化は回避 

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産経新聞

バイデン米大統領=19日、ワシントン(UPI=共同) 1/1枚  【ワシントン=住井亨介】サウジアラビア人記者、ジャマル・カショギ氏の殺害に、同国で実権を握るムハンマド皇太子が関与したとの米国の報告書は、「人権外交」を推し進めるバイデン政権にとって、サウジとの関係を「再調整」(サキ大統領報道官)する意志を明確に示すものだ。

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 トランプ前政権は、対イラン包囲網の構築や武器売却などでサウジとの友好関係を重視。ポンペオ前国務長官は「(皇太子の関与に)決定的な証拠はない」として真相解明を棚上げする意向を示し、サウジ政府高官ら17人に制裁を科しただけで、皇太子の責任は追及しなかった。

 だが、皇太子の主導でサウジが介入したイエメン内戦をめぐり、バイデン大統領はサウジへの支援中止を明らかにしたほか、イエメンの親イラン武装組織フーシ派について、トランプ前政権が決めたテロ組織指定を解除した。

 多くの市民が犠牲となって「世界最悪の人道危機」(国連)とされるイエメン内戦では、テロ組織指定は国連仲介の和平協議に悪影響を与えるとされてきただけに、人権を重視するバイデン政権としては見過ごすことができなかった。

 ただ、米国にとってサウジは、イランと対峙(たいじ)するための重要な連携相手でもある。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、ホワイトハウス内では「(サウジとの)不和の代償は高くつく」との認識で一致。皇太子への制裁措置を見送ることで、サウジとの決定的対立を回避した。

 米国はフーシ派などからの攻撃を受けるサウジの防衛を約束しつつ、人権を軽視してきた皇太子とは距離を取る外交を模索するとみられる。プライス国務省報道官は、「米国が提起する価値観を両国の関係に反映させていく」と述べた。

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