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東京五輪あと半年 コロナ禍の強化策…「巡回指導」で金メダルラッシュだ/競歩

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サンケイスポーツ

鈴木雄介 1/2枚  新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、あと半年に迫った東京五輪の祝祭ムードが高まらない中でも、日本勢は地道に鍛錬を続ける。日本陸連の今村文男五輪競歩強化コーチ(54)が22日までにサンケイスポーツの取材に応じ、東京五輪での金メダル量産へ、コロナ禍に応じた新様式の強化方針を明かした。

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選手の拠点へコーチが出向く

 逆境に負けず、一歩ずつ前進する。コロナ禍の収束が見通せない中で「競歩大国ニッポン」が、半年後の東京五輪を見据え、新様式で強化を進める。今村強化コーチが前を向いた。

 「自分たちのスポーツだけではなく、周りの理解があってこそ。コロナ禍の社会状況の中で、いつも通り、今まで通りとはいかない。新しい体制、環境を頭に置きながら強化していきたい」

 酷暑の中でレースが行われた2019年の世界選手権(ドーハ)で、日本勢は男子50キロで鈴木雄介(33)=富士通、男子20キロで山西利和(24)=愛知製鋼=が優勝するなど2個の金メダルに3つの入賞。「競歩大国ニッポン」を印象付けた。

 今夏の祭典でも金メダル獲得が期待される競技だが、コロナ禍で例年とは異なる強化プランを求められる。今月7日に緊急事態宣言が発令されるなど、選手が集まって行う合宿の計画は難しい状況。そこで今村コーチが「2021年バージョン」と構想するのが「巡回指導」だ。東京五輪代表が出場する競技会や練習拠点に日本代表のコーチ陣が出向く。

 「個々でやるべきことは違う。個別性を考えるとそれぞれやりたい場所や体制でできていい。自由度を高めていけたら」。選手の考えを尊重しながら強化を進め、メダル量産につなげる。

審判員の判定傾向もチェック

 これまでの取り組みも生かす。審判員が目視で選手の歩型をチェックする競歩。そこで大切になるのが「国際審判員の判定傾向の把握」だ。世界選手権や五輪などの主要国際大会で判定を任せられる最上級の国際審判員は25人。国内で選考会が行われる際には、あえてこの25人の中から指名して招き、最上級の審判員に判定を受ける機会を増やしてきた。

 蓄積してきた判定傾向を分析。東京五輪に関わる審判員に選手が「スタートから何分後に、どんな判定を受けたか」などの詳細なデータをまとめ、代表選手に渡す準備を整えたという。万全の対策を講じ、大一番の舞台である札幌に乗り込む。

 コロナに翻弄された昨年、競歩界は男子5000メートルや1万メートルで東京五輪代表が日本記録を次々と更新。競うように記録が伸びた。「とにかく無事に開催されて、選手がベストの状況でスタートラインに立てたら。心技体のピーキングを大事にし、それがメダル量産につながればいいかな」と今村コーチ。地道な積み重ねの先に、大きな成果が待つ。(武田千怜)

 ■今村 文男(いまむら・ふみお) 1966(昭和41)年11月5日生まれ、54歳。千葉・柏市出身。千葉・八千代松陰高-東洋大卒。91年に富士通入社。50キロ競歩で世界選手権に7大会連続で出場。97年のアテネ大会では6位入賞。92年バルセロナ五輪、2000年シドニー五輪代表。富士通陸上競技部競歩ブロック長。日本陸連の五輪競歩強化コーチを務める。

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  • 山西利和

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