優勝は使命!楽天D1位・早川、被災地への思い胸に戦う
更新楽天の新人全7選手が21日、2011年の東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県名取市閖上(ゆりあげ)地区を訪問した。10年前に故郷の千葉で被災した経験を持つ、ドラフト1位・早川隆久投手(22)=早大=は震災メモリアル公園内の慰霊碑に献花。「胸に秘めながらやれたら」と8年ぶりとなるリーグ制覇への誓いを立てた。
「締め付けられるような感じ」
心の中で手を合わせ、祈りをささげた。早川は、押し寄せた8・4メートルの津波と同じ高さの慰霊碑に、言葉を失った。
「心をつかまれるというか、ちょっと締め付けられるような感じがありました」
3月11日で東日本大震災から10年を迎える。震災復興伝承館では、大津波の爪痕を目の当たりにし、復興の歩みを心に刻んだ。日和山に登り、いまだ復興半ばの周辺を目に焼き付けた。
小6の時、千葉で被災
2011年3月11日-。千葉外房の海沿いに位置する横芝光町出身の早川は、上堺小6年だった。日頃はのどかな街に津波が押し寄せ、沿岸にある実家は床下浸水し、避難所となった学校で一晩を明かした。
「下校中の時に、いとこが自分を車で拾ってくれて、自分はぎりぎり津波の被害を受けなかった。もし、自分がそのまま家に帰っていたら状況は変わっていたと思う」
案内役で、閖上小中学校の八森校長から、13年のリーグ優勝と日本一制覇が、被災地に勇気と希望を与えたという話を聞いて、決意を新たにした。
「被災地の方々の思いは分かる。胸に秘めながらやれたら。(優勝が)自分に与えられた使命だと感じながら、プレーしていければ」。被災者でもある最速155キロの新人左腕が、東北にとっても大切なシーズンに挑む。(広岡浩二)
◆早川 隆久
(はやかわ・たかひさ)1998(平成10)年7月6日生まれ、22歳。千葉県出身。木更津総合高で2年春と3年春夏に甲子園出場。3年夏に2戦連続完封勝利を挙げるなど2季連続で8強入り。高校日本代表ではU-18アジア選手権制覇に貢献。早大では1年春から東京六大学リーグ戦に登板し、通算53試合で14勝12敗、防御率2・51。2021年ドラフト1位で楽天入団。180センチ、76キロ。左投げ左打ち。独身。年俸1600万円。背番号21。
◆身を引き締めてプレー
◆神奈川県出身の楽天D2位・高田孝(法大) 「より一層、東北でプレーさせていただく選手の一員として、身を引き締めてプレーしなくてはいけないと感じました」