コロナウイルス感染拡大防止のために、プロ野球12球団キャンプは異例のすべて無観客。そんな中で注目されるのは、共に内閣改造したソフトバンク対巨人の番外日本シリーズだ。
昨季までの日本シリーズは、ソフトバンクが巨人に「2年連続4連勝」という史上初の快挙を成し遂げ、4年で連続日本一。2度とあり得ないと思われていた、「9年連続の日本一」という偉業のV9巨人軍を戦々恐々とさせている。今季もセ、パでそれぞれ戦力が突出している巨人対ソフトバンクの日本シリーズの可能性が大だ。
そんな両チームの中で新たに注目されているのが新内閣。ソフトバンク・小久保新へッドコーチと巨人・桑田新チーフ投手コーチ補佐だ。
2日とも選手としての実積は文句なし。さらに小久保がポスト工藤、桑田もポスト原の有力候補だ。両チームのナインがその一挙手一投足に熱視線を送るのは当然だろう。
プロ野球OBたちが体験談を熱く語る。
「一般企業でも有力な次期社長候補に対しては社員が無関心ではいられずに、その言動に深い関心を示すでしょう。プロ野球界も例外ではないですよ。選手はそれぞれが独立した企業主だが、実際は監督、コーチに嫌われたら、使ってもらえない。だから有力な次期監督候補の動きに選手たちは注目せざるをえないものです」
同時に、主力選手から相手にされないようなコーチは、監督候補から脱落することになる。これは真逆の真実だ。
ソフトバンクには王ファミリーの長男坊と自他ともに認める小久保新へッドコーチの他に、三男坊と言われる城島球団会長付特別アドバイザーもいる。巨人にも阿部二軍監督というポスト原の有力候補がいる。
「工藤から小久保、そして城島へのラインは誰の目にもわかりやすい。阿部はまだ若いので、その前にポスト原として桑田監督を挟むのがベストの選択肢か」という声が、チーム内外から聞こえる。
同じ宮崎でキャンプを張るソフトバンクと巨人の最大の見どころは、共通している。小久保新へッドコーチと桑田新チーフ投手コーチ補佐がどんな成果を上げるかだ。
言ってみれば、3年連続の対決必至の日本シリーズを占う番外戦。無観客キャンプなのがソフトバンク、巨人ファン共に残念無念だろう。(江尻良文)