集中連載でお送りする特別企画“ふたり言”第4回。多士済々の先発投手陣と、3年連続ゴールデングラブ受賞中の梅野隆太郎捕手(29)による強力バッテリーで、今季の阪神は必勝態勢かと思いきや、元エースの藪恵壹さん(52)は「捕手が問題」とインサイドをえぐります。
遠藤「キャッチャーはもう、梅ちゃん(梅野)が完全に独り立ちしたんじゃ…」
藪「いやいやいやいや。矢野監督は併用したがる。昨年の開幕戦を見ても、3戦で3人のキャッチャーを使ったじゃないですか。監督は最初から決めていたような感じですね」
遠藤「へえ~、相性ってことですか?」
藪「そう言ってましたけど、2戦目、巨人の先発が左投手の田口だったから、キャッチャー原口でいったと思うんですよ。味方ではなく相手の投手との相性。打線の観点で」
遠藤「なるほど。ちなみに藪さん、タイガースの現役時代は、キャッチャーを替えられるのは嫌でした?」
藪「僕は自分で配球は考えられるから、打って点を取ってくれるキャッチャーがよかったですね」
遠藤「ハハハ!」
藪「だから関川(浩一)さんが一番バッティングよかったんで、セキさんを指名してました」
遠藤「みんな藪さんみたいな大人のピッチングできる人たちだったらいいけど、まだそういうところまでいってないピッチャーはね。まだ若いというのもありますしね」
藪「あとは盗塁が気になるんで、肩の強いキャッチャーですね。僕もカツノリ(野村克則)と組んだことありますし。1試合で4盗塁くらいされましたね。こっちが必死で頑張ってるのに(笑)」
遠藤「もう、克則君と組んだら怖いもん知らずですよね。誰が来てもいいですもんね」
藪「肩が弱いうえに球が高いんですよ! 弧を描いてたんでね」
遠藤「ハハハハ。肩で言ったら僕が素人目で見ても、梅野でしっかり固定していった方がいいんじゃないかなって思うんですけど、藪さん、いかがですか?」
藪「矢野監督は坂本誠志郎の評価が高いので。その2人を軸に、それと原口ですよね。バッティングでは原口が抜けてるんで。あとドラフト4位で獲った新人の栄枝(裕貴)君というのがいるんですけど、彼はべらぼうに肩が強いですよ。何年後かのタイガースを背負って立つ選手です」
遠藤「ホントですか!?」
藪「はい、めちゃくちゃいいキャッチャーです。古田(敦也)さんの立命館大学の後輩ですし、経験積んでやっていけば、必ず正捕手になれますよ」