往年のトラのエース、藪恵壹さん(52)とともに阪神の未来を占う“ふたり言”第2回。昨秋ドラフトで4球団競合の末に射止めた黄金ルーキー、佐藤輝明内野手(21)=近大=を左の大砲として大成させるべく、甲子園球場の大胆過ぎる改造プランを提案します。
遠藤「今年はルーキーで佐藤君が入ってくれて。彼、どうですか? どうしても左打者って甲子園の浜風があるんで、長打力というのは厳しいのかなって思ってたんですけど。ホームランを打つバッターに育てていった方がいいですか?」
藪「そうですね。20発、30発と言わずに本人は40発と言ってますから。あとはライトの浜風をどう攻略していくかなんですけど、そんなのも関係なくやれそうな気はしますけどね」
遠藤「なるほど。藪さんもタイガースOBで、投手出身ですから言いにくいかもしれませんけど、ラッキーゾーンの復活ってどう思われますか?」
藪「ラッキーゾーンを作るのは大変なんで、僕はホームベースを10メートル前に出せって言ってるんですよ」
遠藤「ほお!」
藪「そうすると狭くなるじゃないですか、ファウルゾーンが広がって。ホームベースからバックネットまでの距離をちょっと多くとって、あそこに掘って席を作るんですよ、ネット裏の下のところに。よくメジャーリーグであるじゃないですか、グラウンドレベルより下にあるシートみたいな。お客さんの入りも見込めるので、前に出した方がいいと思いますね」
遠藤「なるほど! それ、いいアイデアですね。藪さんのご意見を聞いて僕もいま思ったんですけど、10メートルホームを前にして空いたところに客席を作ると、投手陣があまりにもかわいそうかなと。10メートル前にする分にはいいと思うんです、本当に。後ろが広くなることによって、ほかの球場だったらスタンドに入るのが甲子園だったらアウトになっちゃう。ファウルゾーンが広くなることで、投手陣も納得できるんじゃないかなって思ったんですけど」
藪「それはいいですね。あとは風よけですね。ライトスタンドの上の方に立つと分かると思うんですけど、風がビュンビュン吹いてくるんですよ。あそこに移動式の20メートルくらいの板があれば、だいぶ風よけになりますんで。そこに宣伝の企業さんの名前を入れて移動式にしたりとか。それで収入は増えるし」
遠藤「そうですよね。せっかく1年目の左の大砲が入ってきてくれたわけですから、球団、チームみんなで盛り上げていくなんていいのかな…なんて、ファンからしたら思ったりするので」
藪「そうですね。タイガースもそろそろ、そういうことを考える時期にきてるんじゃないかなあと思いますね」
遠藤「メジャーリーグって結構、露骨にホーム有利とかやってるんですか?」
藪「やりますね。左バッターの多いところはやっぱりライトは狭いですし。ボストンとかは(左翼側に)グリーンモンスターつくってますけど、実は70メートルくらいしかないですから。だから(打球が)伸びていく途中で、ガシャンと当たりますからね」
遠藤「そうなんですか!? へぇ~。そういうアメリカのいいところもマネしてもらいたいですね。伝統ある甲子園がそこまでわかりやすく変えたら、また野球も面白くなるかなあと」