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正代、逆転の突き落としで初優勝 「諦めなかったのがよかった」

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産経新聞

表彰式で日本相撲協会の八角理事長から賜杯を受け取る正代=両国国技館 1/1枚  正代が27日の大相撲秋場所千秋楽で初優勝を果たした。

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 初優勝と大関昇進がかかる大一番を前に、正代は午前5時過ぎまで眠れなかったという。緊張は場所入りしても収まらず、「手をつく瞬間までドキドキ。心臓の音が自分の中で響くくらい」。人生で初めて経験するような極限状態だった。

 その硬さは相撲に表れた。立ち合いから翔猿に押し込まれた。土俵際で粘って押し戻したが、体を入れ替えられ、もろ差しを許した。絶体絶命の窮地で持ち味の柔らかさが生きた。俵を伝って右に動いて突き落とし。「諦めなかったのがよかったかな」。勝利の土俵上で何度もうなずいた。

 今年1年で急激に成績を伸ばしてきた。腰高であごの上がる悪癖がたびたび指摘されてきたが、「すぐに改善できない」とあえて目をつぶった。「それに比べて圧力は筋力アップしたら強くなる」。新型コロナ禍で、今年5月ごろからは筋力トレーニングに没頭。特に下半身を鍛え、立ち合いの馬力を身に付けてきた。

 長年の積み重ねも成長につながった。新型コロナ流行前は、所属する時津風部屋に連日役力士が出稽古に来ていた。横綱鶴竜らに稽古相手に指名され連戦連敗。ただ、こうしてもまれるうちに確実に力が育まれた。

 現役時代に出稽古に訪れていた武隈親方(元大関豪栄道)は「正代が力を試すバロメーターになっていた。横綱や俺とかの稽古相手に頻繁になってくれた。稽古をいっぱいやるから力を付けている」と話していた。流した汗が血肉となり必然のように花開いた。

 28歳での大関昇進は遅咲きだが、成長の角度を見るとまだピークは先にありそう。「いろんな方に応援していただける力士になりたい」。最高位を目指す、新たな挑戦の始まりだ。(浜田慎太郎)

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