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無観客での再開後、また中止 バスケBリーグ、新型コロナに柔軟対応

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産経新聞

2月14日に無観客で行われたBリーグの千葉ー宇都宮戦=千葉県船橋アリーナ(今野顕撮影) 1/1枚  野心的な試みはわずか2日間で終わりを告げた。新型コロナウイルスの感染拡大により、スポーツ界でも大会や試合の中止、延期が相次ぐ中、バスケットボール男子のBリーグは先陣を切って約2週間中断していた1部(B1)と2部(B2)のリーグ戦を無観客で再開すると打ち出し、14、15日に試合を実施した。だが17日には20日以降の開催を取りやめ、4月1日までの95試合を中止すると発表。選手や監督から続々と上がった不安の声に応じた。決断が二転三転したとはいえ、困難を極めるウイルスとの戦いに、柔軟に対応している。

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 シーズンが佳境に入っているBリーグはウイルスの感染拡大防止のため、2月28日からリーグ戦を中断し、今月11日までに組まれていた計99試合を延期。プレーオフの短縮や平日の活用などで代替日程を組んだ。その後も感染拡大に終息の気配が見えない中、リーグは加盟チームの経営悪化への懸念やファンの期待などを理由に、スポーツ界の先陣を切って無観客での再開に踏み切った。

 無観客での再開発表は11日だったが、翌日(米国時間11日)にNBAが選手の感染と中断を発表すると海外出身選手を中心に不安は広がり、B1滋賀は米国出身の3選手が14、15日のA東京戦を欠場した。米国出身で日本国籍を取得したB1川崎のファジーカスは15日の北海道戦後、「息子は2歳で娘は5カ月。試合をして、ウイルスを持ち帰って移ったら怖い。2日前まで悩んだが、妻と『バスケットをするために日本に来ている』と話し合って出場に至った」と複雑な胸中を明かした。

 千葉の大野監督は「汗が飛ぶスポーツを最初に再開していいのか。『いいからやれ』と僕たちは言えない。気持ちを少しくんでほしい」と不満をぶちまけ、日本代表の富樫も「バスケができる喜びもある」とした上で「いろんな選手が今の状況でプレーするのを嫌がっている」と明かした。

 17日の記者会見でリーグ戦の再びの中止を発表したBリーグの大河チェアマンは「選手の心理的な部分も含め、想定しきれていないところもあった」と認識不足を認めた。

 ただ、14日には北海道の3選手に微熱が出たことを受けて川崎-北海道を急遽(きゅうきょ)中止にするなど、安全確保には細心の注意を払った。翌15日には自ら選手会長の田口(千葉)と電話会談し、翌週からの試合開催については選手側の意向をくみ取る姿勢を明示。中止を決めた17日の臨時実行委員会に陪席した田口は「選手のことを第一に考えた議論をしてくださったことに本当に感謝をしています」とコメントした。

 2月には他のプロスポーツに先駆けて「ウイルスへの不安」を理由にしたチケットの払い戻しを開始するなど、リーグのフットワークはもともと軽い。無観客での再開を決める際もメインスポンサー、ソフトバンクの協力を取り付け、同社が展開する動画配信サービスで全試合の無料視聴を可能にした。ファンの支持は大きく、14、15日の視聴者数は従来の約3倍に達したという。

 「悔しい思いがないわけじゃない」としながらも「毎日(状況が)動いている中でベストな判断をしていった結果。無観客にチャレンジしたこと自体、ファンやスポンサーから一定以上の支持、理解を得たのも確か」と大河チェアマン。

 米スポーツ専門局ESPN電子版によると、米国に帰国した滋賀のジェフ・エアーズ選手が、チームやリーグの新型コロナウイルス対策に不備があったため、帰国を決めたと訴える事態も起きた。今後のリーグ運営にも、今回の経験が生かされることになりそうだ。

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