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女子柔道・田代未来、東京五輪で“絶対王者”アグベニューへのリベンジ期す

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産経新聞

2大会連続の五輪代表となる田代未来 1/1枚  【何競技、書けるかな? to TOKYO2020】

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 柔道は13階級で東京五輪の代表が決まりました。残すは丸山城志郎(26)と阿部一二三(22)の男子66キロ級のみ。この2人の去年8月の世界選手権での対決は足を痛めた丸山が勝つ壮絶な闘いだったのですが、同大会でもう一つ忘れられない死闘がありました。

 女子63キロ級決勝。日本の田代未来(25)=コマツ=の相手は、世界選手権2連覇中で「絶対女王」と言われるフランスのアグベニュー。田代にとってアグベニューは、リオ五輪の準決勝で敗れ、18年世界選手権の決勝で敗れた相手でもあります。「アグベニュー選手がいることで頑張れている」と話してきた田代。大きな壁を破り、初の世界一になれるかという試合でした。

 開始から4分間で動いたポイントは、寝技を狙った田代が消極的と判断された指導1つのみ。隙のない張り詰めた攻防が続くまま延長戦に入ります。

 そして、最初からこの展開を狙っていたのか、延長戦に入った途端、田代がギアを上げたのです。守勢に回ったアグベニューに延長開始早々に指導が出されると、延長5分12秒、アグベニューに2つ目の指導が入ります。

 指導3つで反則負けとなるため、ついに田代が王者を追い込んだのです。勝利まであと一歩。さらに攻める田代。疲れが見えるも譲らない王者。

 そして、試合時間がトータル11分を超えた延長7分11秒。

 技をかけた直後は隙が生まれやすいと言われます。ゾーンに入っていたような集中が一瞬だけ切れてしまったのか。勝負に出たものの「どこかで躊躇していた」という田代の大内刈りがかわされた後、棒立ちのようになり、唯一、田代に隙が生まれます。

 そこを王者アグベニューは逃しません。払巻込みで、技あり。勝ったアグベニューの方が苦しさのあまり号泣する、田代にとってあまりにも惜しい戦いでした。手が届きそうで、また世界一には届きませんでした。

 東京五輪代表に決まった記者会見で、田代は改めてアグベニューについて言いました。「もう遠くはない。技術面でも体力面でも、そんなに差はない。最後は気持ちの部分で戦い抜けたら。最後、戦うところはそこかなと思っています」

 リオ五輪では3位決定戦で敗れ、初日から続いていた柔道のメダルは田代で止まりました。メダリストとそうじゃない人は、帰国した空港の出口も違う。メダルの有る無しの差を痛感させられた経験でした。

 前回五輪の悔しさを胸に戦ってきた4年間。初めての世界一を東京五輪で実現してもらいたいです。

 ■砂山圭大郎(すなやま・けいたろう) 1975年6月30日生まれ。山口県出身。早稲田大学卒。98年文化放送入社。松坂大輔投手の番記者やサッカーW杯実況などを経て、夜の若者向け番組のパーソナリティーに。月~金「斉藤一美ニュースワイドサキドリ」のスポーツ枠担当を機に、本格的に五輪競技の取材に取り組む。現在は他に「ラジオのあさこ」「田村淳のニュースクラブ」などを担当。特技はフィギュアスケート!? 40歳のとき、番組の企画で初挑戦。元五輪選手の八木沼純子さんの指導を受け、大会にも出場した。

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