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「準備の時間できた」「必要な試練」…五輪・パラリンピック延期、関西スポーツ界の影響

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来年の「ワールドマスターズゲームズ」の選手エントリーの受け付け開始をPRする(左から)武井壮さん、杉村太蔵さん、岡崎朋美さん=東京都港区 1/1枚  新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、今夏に開催予定だった東京五輪・パラリンピックを1年程度延期することが24日、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長と安倍晋三首相の電話会談で決まった。開催時期について、安倍首相は「年内(開催)は難しいだろうということで1年程度にした。その上で、遅くとも2021年夏まで」と説明したが、具体的にいつになるかは未定。同年には5月に生涯スポーツの祭典「ワールドマスターズゲームズ2021関西」(WMG関西)、9月には「神戸2021世界パラ陸上競技選手権大会」(世界パラ陸上)が予定されている。関西のスポーツ界への影響をまとめた。

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 ■開催時期にやきもき

 「情報収集し、関係団体とどうしたらいいのかを協議している。われわれとしては、通常開催できるように準備を進めたい」。五輪・パラリンピックの延期決定から一夜明けた25日、WMG関西組織委員会の広報担当者はそう強調した。

 WMGは1985年にカナダ・トロントで第1回大会が開かれ、アジア初開催の今回が10回目。おおむね30歳以上なら誰でも出場でき、史上最多となる参加者5万人の目標を掲げる。エントリーも始まっており、全国的な認知度を高める手段として、東京五輪・パラリンピックで活躍した選手の参加を期待していた。

 しかし、五輪・パラリンピックがちょうど1年延期されると、WMG関西の方が先に開かれることに。春に延期されると、大会期間が被る可能性もある。

 しかし、2019年のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会から東京五輪・パラリンピック、21年WMG関西までの3年間を「ゴールデン・スポーツイヤーズ」と命名した早稲田大学スポーツ科学学術院の間野義之教授は「並びが変わっても、ゴールデン・スポーツイヤーズの効果はある。五輪・パラリンピックが21年夏になれば、WMGは直前の大会として盛り上がるはず」と解説する。

 21年9月に神戸市で予定されている世界パラ陸上には約100カ国・地域から約1300人が参加予定。組織委員会事務局となっている神戸市国際スポーツ室の担当者は「きっかり1年延期だと、パラリンピック終了から世界パラ陸上の開幕まで約10日しかない。大会主催者の国際パラリンピック委員会にどうなるのか確認している。世界パラ陸上への関心が生まれる状態になってくれれば…」と希望を話した。

 ■変わらぬ活動を

 関西ゆかりの選手や指導者、競技団体にも影響はある。男子シンクロ板飛び込みと3メートル板飛び込みで東京五輪代表に決まっている寺内健(ミキハウス)らを指導するJSS宝塚の馬淵崇英コーチは「延期は想定していたが、今年の夏に照準を合わせてきたので、一瞬がっくりした」と率直な思いを吐露した。

 6度目の五輪出場を目指す寺内は今年8月に40歳となる。1年の延期は痛手にもみえるが、馬淵コーチは「(寺内)健は筋力もあり、培ってきた技術がすぐに衰えるわけではない。五輪まで準備できる時間ができたと前向きに捉えたい」と力説。女子高飛び込み代表で19歳の荒井祭里についても「これから伸びていく選手。動揺せず落ち着いて練習していけば大丈夫と伝えたい。五輪がいつ開催されるかわからないが、選手たちがモチベーションを維持できるようコーチとしてサポートしていきたい」と決意を口にした。

 また、リオデジャネイロパラリンピック陸上男子走り幅跳び銀メダリストで37歳の山本篤(新日本住設)は「モチベーションは維持できる。年齢のことはあるが、技術的に伸ばせる余裕ができたと前向きに捉えたい」。過去3大会に出場した車いす陸上の松永仁志(WORLD-AC)は「世界中が困難な状況の中、五輪・パラリンピック開催が支持されたことに感謝し、安堵している」とした上で「活動に大きく影響が出ると考える。しかし、そういったことを乗り越えることも、アスリートには必要な試練。準備期間が延びたことを逆に強みとし、さらなる高みを目指し、変わらない活動を続けていく」と決意表明した。

 京都市を拠点とする車いすフェンシング協会の活動を長年に渡って支えてきた小松真一理事長は「次の世代を担う若い選手がランキングを上げるチャンス」と前向きに捉えつつ、競技団体の運営については「次の人に譲りたい。大会の会場設営など根気が必要な仕事なので、(延期によって本番までの準備期間が延び)他競技の人も大変だと思っているのではないか」と素直な気持ちを口にした。

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