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五輪延期 茨城県の首長ら落胆も「やむを得ない」

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茨城県の大井川和彦知事=県庁 1/1枚  東京五輪・パラリンピックの延期が決まり、茨城県内の首長や自治体関係者からは落胆の声が上がった。ただ、新型コロナウイルス感染拡大防止のためとあり「仕方ない」などと理解を示す意見も聞かれた。

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 ●「やむを得ず」

 大井川和彦知事は25日、延期について「やむを得ないし当然だ。本県も(サッカー競技会場などある)ホスト県として一翼を担っており、五輪成功をめざして協力したい」と強調した。

 龍ケ崎市の中山一生市長も「できれば予定通りやってほしいと思っていた。残念だ」と落胆しながら「ウイルスのことを考えれば苦渋の選択だ」と決定に理解を示した。

 延期を容認する声は県民からも聞かれた。つくば市の会社員、伊藤健司さん(45)は「延期は妥当な判断だろう。中止でなくて良かったと日本中が思っているのではないか。今はウイルス対策が最優先」と話す。取手市の団体職員の男性(57)は「難しいだろうが、IOCや政府はアスリートやチケット購入者らが納得できる対策を講じてほしい」と要望した。

 龍ケ崎市の中山市長はスポーツクライミングで出場が内定していた同市出身の野口啓代(あきよ)さんに「緊張感を持って過ごしてきたと思うが、体調管理をしっかりして世界の頂点を目指してほしい」と激励した。

 ●アピールの好機も

 一方、26日からスタート予定だった聖火リレーは中止に。県内では7月5、6の両日、延べ35・9キロのコースで16市町をめぐり、県の魅力を内外にアピールする機会だっただけに、常総市の神達岳志市長は「(6日に)アテネ五輪柔道100キロ超級金メダリストの鈴木桂治さん、女優の羽田美智子さんを筆頭に聖火ランナーが通るのを市民を挙げて楽しみにしていた。本当に残念」と肩を落とした。

 大井川知事は、「なるべく現状を継続して準備を進める」とし、青銅製立像では世界一の高さ(120メートル)を誇る牛久大仏前がコースとなっていた牛久市の根本洋治市長も「気持ちを切り替えて準備し、改めて聖火リレーが牛久を駆け巡ることができるよう願っている」とコメントした。

 ●今後も絆深める

 五輪参加国の事前キャンプ地の準備も仕切り直しとなった。龍ケ崎市は流通経済大とキューバとオセアニア地域の柔道、タイの陸上の事前キャンプ地として合意していたが「3つの国・地域とは交流している。今後も準備は進める」と変わらぬ支援を強調した。

 パラオ共和国のホストタウンで事前キャンプ地に予定されているのは常陸大宮市。同国のペリリュー島は先の大戦の激戦地で日本兵の死者約1万人のうち75人が同市出身者だった。戦後、市がパラオに中古の消防車や救急車、野球用具などを寄贈する交流が生まれ、五輪で絆をより深めるはずだった。

 市は、選手団来日時のホスト役として男女2人の研修生を受け入れていたが、同市東京オリパラ推進室は「ビザ期限は8月。帰国してもらうしかないだろう」と残念がる。それでも「研修生には帰国後も市とパラオの調整役を務めてもらい懸け橋として活躍してほしい」と期待した。

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