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聖火リレーが延期 家族3代の聖火一家、大役は持ち越しに

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産経新聞

父、公平さん(右)が走った長野冬季大会の聖火リレーを見つめる心平さん(中央)。祖父の忠一さん(左)が見守る=福島県二本松市 1/1枚  約1万人がトーチをつなぎ、全国を巡る東京五輪の国内聖火リレーは、来年改めてリレーを行うことが決まった。「良かった。走れるんだ!」。1964年東京五輪、1998年長野五輪、そして、今大会を合わせ家族3代でランナーの大役を務める一家は再スタートの知らせに喜んだ。

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 福島県桑折町の高野心平さん(12)=醸芳小6年=は25日朝、聖火リレーがそのまま延期される可能性が高まったとのニュースを見て、胸をなでおろした。前日、聖火ランナーの走行を取りやめランタンを車で巡らせる方式に変更するとのニュースを目にしたばかり。ショックを受けただけに喜びもひとしおだ。

 祖父の代から3代続く“聖火リレー一家”だ。

 祖父の忠一さん(73)は56年前の前回東京大会で聖火ランナーとして走り、長野大会では伯父の進さん(46)が聖火ランナー、父の公平さん(43)がその伴走を務めた。今回の大会では心平さんが聖火ランナーになり、3代続いて走るはずだった。

 最初は決して乗り気ではなかった。昨年12月、ランナーに決まったときは戸惑いの方が大きかった。学校から帰宅しポストを開けると、大会組織委からのランナー当選を知らせる封筒が入っていた。以来、緊張のあまりキリキリとおなかが痛むこともあった。

 スポーツは決して嫌いではないが、ゲームやラジコンが好きな“インドア派”だ。人前に出るのも得意ではない。それでも父親は、息子にランナーを勧めた。

 22年前の長野大会。公平さんは、兄の進さんに勝手に聖火ランナーに申し込まれた。「『えっ』ていう感じで、最初は全然やる気はなかったんです」。進さんの伴走として走り始めた瞬間、そんな経緯はどうでも良くなった。

 「沿道の声援、歓声がすごかった。父親は多くを語らないけど、きっと同じだったんだろうなって。親子2代で背負う使命感みたいなものを感じました」

 心平さんにも、3代続く重みを味わわせてやりたい-。公平さんは毎日のように説得を続けた。ダンベルをトーチに見立て毎朝走る練習を重ねるうち、だんだんと心平さんの気持ちは変わってきた。

 「みんなが聖火ランナーだったのは聞いたことがあるくらいだったけど、今は3代目の重みをすごく感じています」

 1年先延ばしにはなったが、練習を重ねる時間ができたと前向きに受け止めている。一方、祖父の忠一さんは、きまじめな孫の様子を見つめ、一言一言かみしめるように語りかけた。

 「普通に走ればいいんだ、速く走ることなんてねぇ。環境が変わっても、いつも通り。楽なもんだ。心配いらね」

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