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五輪観戦チケット、9日抽選申し込み開始 問い合わせ殺到

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1/1枚  2020年東京五輪の観戦チケットについて、抽選販売の申し込みが9日から始まるのを前に、大会組織委員会が希望者からの問い合わせに追われている。申し込みには「TOKYO 2020ID」の事前登録が必要で、関心の高さから登録者は300万人に達する勢いだ。しかし、申し込み方法が多岐にわたり「わかりにくい」との声もある。組織委は専門サイトでQ&Aの項目を増やし、情報提供を充実化させているが、専門家からは、購入者には一定のリスクが伴うとの指摘も出ている。(佐々木正明、植木裕香子)

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「わかりにくい」

 チケットの申し込みは9日午前10時から、28日午後11時59分まで、ID登録をした上で公式販売サイトを通じて受け付けが行われる。先着順で当選確率が変わるわけではないため、組織委は「購入計画をじっくり練って申し込んでほしい」と呼びかけている。

 不祥事で準備計画が凍結されているボクシングを除く全競技の観戦チケットが対象。同じ競技でも予選や決勝の実施時間帯や価格帯が分かれているほか、第2希望選択サービスなども設けられており、申し込み方法がなかなかわかりづらいのが実情だ。

 また、各競技の出場選手やチームが全て決まっていないため、野球やサッカー、バレーボールなど人気種目の日本代表チームの試合日を把握しないまま、チケットを購入せざるを得ない五輪特有の事情にも直面している。ネット上には、「チケットを狙っているけど、日本代表がどこに組み込まれるかまったくわからない」「対戦カードを考えないで、近くの会場のチケットを申し込む」などの声が出ている。

 加えて、現段階で各競技の抽選倍率が不透明なことも、観戦希望者の悩みの種となりそうだ。ルール上、複数のチケットが当選したら、一部のみを購入することは認められておらず、全額を一括支払いしなくてはならない。支払い後はキャンセルできず、不要となった高額チケットは公式転売サービスなどを利用できるが、場合によっては自己負担しなくてはならないリスクも残る。

 こうしたチケットの申し込み手段について、スポーツライターの小林信也さんは「このままでは一部の富裕層などを除き、損失を恐れて買い控えする動きも出てくるのではないか」と指摘。値段設定や支払い方法についても「一般の庶民の視点が欠落している」と苦言を呈した。

申し込み総数は億単位か

 五輪観戦チケットの抽選販売は、大会の成功のカギを握るだけにミスやトラブルは許されない。

 売り出される五輪チケット枚数は780万枚。大半が今回の抽選販売の対象となる。プロ野球1球団が1シーズンで用意するチケットは200万枚とされ、3、4シーズン分にあたる量だ。第2希望まで含めると1人最大60枚まで申し込むことができるため、単純に見積もっても、販売サイトに寄せられる全申し込みの総数は億単位に達すると見込まれる。

 サーバーに高負荷がかかる上、過去の大会での実情を踏まえると、大量のデータを送りつけ、サイトを閲覧できなくするサイバー攻撃への懸念も拭えない。昨年、ネット上で受け付けた大会ボランティア募集をめぐっては、不具合が起きており、組織委はシステムの脆弱(ぜいじゃく)性を補強するための改善を重ねてきた。

 今回、サイトにアクセスが集中する時間帯には、申込者を自動的に「順番までお待ちください」と表示されるページに誘導し、サーバーダウンを防ぐ対策が取られている。組織委は「システムの中身にはいろいろな手立てをしている」と強調しているが、混乱を起こさないためにも、希望者の疑問に丁寧に説明する取り組みが求められる。

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