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元阪神ファンの中日・大野、“蛍の光”に「めっちゃショック」

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サンケイスポーツ

15日の阪神戦に先発の中日・大野=ナゴヤドーム(撮影・安部光翁) 【球界ここだけの話】

 15日の阪神戦(ナゴヤD)で力投する左腕を見て、6年前を思いだした。中日の大野雄大投手だ。2009年秋の大学野球。別の投手を見るために足を運んだが、あまりに球が速いので、つい彼を取材した。当時は仏教大3年で全国的には無名。直後の明治神宮大会で名を売り、翌年のドラフト1位で中日に入団した。

 今季3試合で防御率0・77は立派だ。好調の要因はフォーク。阪神のメッセンジャーを研究して覚えた、変化は小さくても打者の手元で鋭く落ちる軌道。「メッセフォーク」と呼ぶ新しい武器が有効に使えている。それでも登板翌日、本人は別の要因を先に語った。「周りが見えています。打者の様子も見ながら投げられるようになった。サインに首を振ることも増えました。それは、自分なりに投げたい球を冷静に選べているからだと思います」。最大の変化は視野が広がったことだという。

 最近、大野の噂をよく耳にする。周囲の人間は口をそろえる。「すごく好青年だよ」。入団当初は「やんちゃ」という声を聞くことが多かったので、少し意外。本人にぶつけてみると、照れくさそうに答えてくれた。「前は投球以外のことで怒られてばかりでした。確かに、社会に出て変わったことはあるかなとは思います」。私生活や性格がプレーに影響する。少年野球からプロまでいわれることだ。人間的な魅力と同時に成長する26歳の今後がさらに楽しみになった。

 大野は広島・前田やヤンキース・田中と同じ1988年生まれだ。「88年会」結成に向けて動き始めていた頃、記者は広島担当をしていた。大野から「話を聞いてないです。(幹事の)マエケンに、ちゃんと誘ってと伝えてください」と、頼まれたのを思い出す。

 どちらかというと、“脇役”の野球人生。05年に京都外大西高で甲子園準優勝を果たしたが、控え投手だった。ドラフト1位でも、日本ハム・斎藤や西武・大石の陰に隠れた。ところが、一歩ずつ成績を伸ばし、いまや竜の次期エース。このまま世代の主役まで駆け上がるのを期待したい。「まだすごい選手はたくさんいるから、常に上を見ないと。自分は一気に成長できないけど、『追いつけ、追い越せ』で頑張ります」。そんな大野くん。大学3年のときに「めっちゃ阪神ファンです」と、翌年の阪神入団を夢見ていたのが懐かしい。いまはどうなの?

 「“元”ファンです」

 子どもっぽい笑顔は相変わらずだが、15日の試合で洗礼を浴びたという。1-0を守っていた八回途中で、追い付かれて惜しくも交代した。阪神ファンは、相手投手の降板時に「蛍の光」を合唱するのが恒例だ。「初めてやられたんです。めっちゃショックでした。『僕、阪神嫌いじゃないのに…』って」と、苦笑い。虎ファンのみなさん、“元同士”です。お手柔らかに!(安藤理)

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