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前例のない大胆政策…安倍政権は「消費減税」決断を! 財務省は必死に抵抗するだろうが…ここが政権の「正念場」だ

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産経新聞

安倍首相は「消費減税」を決断するのか 1/1枚  【ニュースの核心】

 新型コロナウイルスが、世界と日本の経済に大打撃を及ぼしそうだ。株価はすでに急落している。これから、実体経済に波及するのは避けられない。どう対応すべきか。

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 結論から先に言えば、私は昨年10月、10%に引き上げた消費税率を元の8%に戻すべきだ、と思う。財務省は必死で抵抗するだろうが、今回の事態はそれほど深刻、かつ前例がない。安倍晋三政権の英断を望みたい。

 多くの読者は、いくらなんでも増税したばかりの消費税を減税するとは「あり得ない」と思われるかもしれない。だが、私は単に自分が期待するだけでなく、「首相の政治判断としても、十分あり得る」と思っている。

 なぜなら、安倍首相は2月29日の記者会見で、次のように語っていた。

 「各地の主要な株式市場において、軒並み株価が大きく下落するなど、世界経済の動向も十分に注視しながら、そのインパクトに見合うだけの必要かつ十分な経済財政政策を行っていく」

 この「インパクトに見合うだけの政策」というフレーズは、私の記憶にない。安倍政権は「コロナ・ショック」がどれほどひどくなっても、それに見合う景気刺激策を展開する決意なのだ。そんな刺激策は減税しかない。

 これまで、日本で景気下支えと言えば、大型公共投資のような歳出拡大策ばかりが展開されてきた。だが、本来は歳出拡大だけでなく、減税もある。実際、ドナルド・トランプ政権を含め、米国では減税が多用されている。

 日本が減税に消極的なのは、財務省が抵抗するからだ。彼らは大きな声で言わないが、「予算のバラマキ」こそが権力の源泉になっている。減税すれば、それだけ原資が小さくなるので、彼らは必死で抵抗するのだ。

 だが、今回の事態は、財務省の都合に耳を傾けているような場合ではない。コロナ・ショックは、2008年のリーマン・ショックを上回る可能性もある。2月27日には、米国のダウ平均株価が過去最大の下げ幅を記録した。

 危機の終わりが見えないどころか、日本も米国も試練は始まったばかりなのだ。リーマンは金融の危機だったが、今回は金融にとどまらず、個人消費、設備投資はもちろん、製造業のサプライチェーンも直撃している。

 加えて、中国、北朝鮮、韓国の政権基盤も揺さぶっている。私は目を覚ますたびに「今日は何が起きているか」と緊張感に襲われる。人々の不安と恐怖は、とてつもなく大きい。そんな心細さはリーマンの時もなかった。

 そうであれば、安倍政権は前例のない大胆な政策で対応すべきだ。言葉ではなく、行動で「政府は国民とともにある」と訴える必要がある。昨年10~12月期の国内総生産(GDP)がマイナス成長に陥ったのは、消費増税が原因だった。減税は増税の誤りを正す結果にもなる。

 最悪なのは、不十分で小出しの対応である。対応に失敗すれば、夏の東京五輪・パラリンピックは吹っ飛び、政権の足元も危うくなるだろう。ここが「本当の正念場」だ。

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務める。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。最新刊に『明日の日本を予測する技術』(講談社+α新書)がある。

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