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安倍首相講演詳報(2)「手つかずの少子高齢化に果敢に挑戦すると決意した」

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産経新聞

読売国際経済懇話会(YIES)で講演する安倍晋三首相=6日午後、東京都千代田区の帝国ホテル(宮崎瑞穂撮影) 「来年はいよいよ伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)があります。日中韓3カ国の首脳会談も行われます。日本とアフリカ諸国が一堂に会すTICAD(アフリカ開発会議)も日本で開催される予定であります。来年は日本が国際社会を力強くリードする1年として、今後も地球儀を俯瞰する観点をもって、積極的な外交を展開してまいりたいと思っています」

 「先日、体操の世界選手権で日本男子チームはみごと金メダルをとってまいりました。団体での金メダルはなんと37年ぶりだそうであります。体操ニッポンといえば、『鬼に金棒』、『小野(喬)に鉄棒』といわれた完成度の高い美しい演技で世界を魅了してきました。しかし10年前ルールが変わった。難易度の高い技をたくさん詰め込んだほうが高い得点を取ることができるようにルールは変更されました。そのことで、しばらく苦戦を強いられてきました。やはり、ルールというものは人から与えられるものではなく、自らの手でつくり上げていくものであります」

 「先般、大筋合意したTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)はまさに21世紀の世界の経済ルールを日本とアメリカで主導してつくろうとする営みであります。これまでグローバルな競争といえば、行き過ぎた価格競争。安かろう、悪かろうがややもすると幅をきかせてきました。恣意的で不透明な政府の介入もしばしば行われてきました。しかしTPPのもとでは、サービスから知的財産に至るまで幅広い分野で品質の高さが正しく評価される、透明で公正なルールが共有されます。消費者は、良いモノをより安く手に入れることができるようになります。おいしくて安全な農作物を育てる農家の人たちの手間暇もまっとうに評価される。中小企業のみなさんには、自ら培った高い技術力で世界に飛躍する大きなチャンスが生まれます。TPPはまさに国家100年の計」

 「人口8億人、世界経済の4割近くを占める広大な経済圏に、自由でフェアなマーケットが生まれます。大筋合意の後、韓国やインドネシアといった国々からTPPへの参加に深い関心が示されました。当然、私たちがつくった新たなルールを受け入れてもらうことが前提となります。しかし、われわれは大いに歓迎したいと考えています。3年前、この場で経済交渉は結果がすべてだときっぱりと申し上げました。ようやくご理解をいただけたのではないかと思います」

 「そして3年前の講演で私が最も強調した点は、デフレ脱却、経済再生であります。15年続いたデフレ。給料が上がらず、税収も減少を続けていました。社会保障の基盤も危うくなっていた。漠然とした不安が日本を覆っていました。日本人も自信を失っていました。デフレマインドが日本の隅々までこびりつき、日本はもう二度とデフレから脱却することはできない、日本はたそがれを迎えているといった無力感すら漂っていました。しかし、アベノミクスの3年間によって日本を覆っていたあの暗い空気は一変しました。1ドル=80円を切るような行き過ぎた円高は是正されました。日経平均株価も8千円台から2倍以上に上昇しました。仕事が国内へと戻り始め、雇用は100万人以上増えました」

 「有効求人倍率も統計開始以来、最高水準になっています。足元では、1年前に比べ正規雇用が21万人増加しています。賃金も増加をみせており、今年の春は10何年ぶりの高い伸び率となりました。先週発表された経団連の集計では、大手企業の冬のボーナスは平均で91万円を超え、過去最高を更新しました。日本の経済は、デフレ脱却にあと一息のところまでやってきました。そして、確かな自信を日本人は取り戻しつつあります。今こそ新たなスタートを切るときです。従来の3本の矢の経済政策を一層強化し、同時にその果実を生かし、長年、手つかずであった日本の構造的な課題、少子高齢化の問題に果敢にチャレンジする。そう決意いたしました」

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