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共通テスト 第1日程に集中見通し 第2日程、利点乏しく

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産経新聞

最後のセンター試験に臨む受験生ら=1月18日午前、大阪府吹田市(須谷友郁撮影) 1/1枚  28日に出願が始まる大学入学共通テストでは、受験生の多くが第1日程(来年1月16、17日)を選択する見通しだ。新たに導入される試験制度に不安が高まる中、新型コロナウイルスにも翻弄される形となった受験生からは戸惑いの声が聞かれた。一方、学習の遅れに対する救済措置として設けられた第2日程(同30、31日)を選ぶメリットは乏しいとされ、教育関係者には混乱の一因になっているとの見方も出ている。

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 ■「猶予がほしい」

 「迷ったけれど、塾の先生とも相談して第1日程に決めた。周囲も皆、そうしているし、第2日程にすると試験までの2週間、絶対に焦ってしまうと思う」

 東京都立高3年の男子生徒(17)はこう話す。共通テストを活用して私立理系学部に挑む。「初めての共通テストなのに不安だ。でも、コロナの影響は受験生全員が同じ条件なので前向きにがんばりたい」

 国公立大の理系学部を志望する兵庫県西宮市内の公立高3年の男子生徒(18)は、第1日程で出願する予定だ。「学校から第1日程を受けるように指導された。休校期間中もオンライン授業などがあり、授業に遅れもないため、あえて第2日程を受ける必要がない。学校からは、どちらの日程の方が試験の難易度が高くなるかは分からないといわれた」という。

 一方、第2日程を選んだ神奈川県の私立高3年の男子生徒(17)は「少しでも共通テストに向けた時間の猶予が欲しかった」。

 当初は私立大の一般受験のみを目指していたが、新型コロナで受験がどうなるか分からなくなり、11月以降に行われる学校推薦型選抜でも受験することに。推薦で不合格となれば共通テストを受けるが、推薦の準備で試験勉強の時間が減るなどし、もともと学習に遅れが出ていたこともあって今回の判断をしたという。

 ただ、周囲に第2日程を選択した同級生はおらず、心のうちとして「たかが2週間でそんなに変わるとも思えない」とも語った。

 ■意欲の維持難しく

 文部科学省が7月に公表した現役受験生に対する調査では、第1日程の希望者が約43万1千人だったのに対し、第2日程は全体の約7%に相当する約3万2千人にとどまった。

 約3カ月間の休校が続いた神奈川県の公立高では、生徒がどちらの日程を選んでもその意思を尊重する方針だったが、第2日程の希望者はいなかった。副校長は「多くが第1日程に照準を合わせる中、第2日程に向けてモチベーションを維持するのは難しいと考えたのかもしれない」と話す。

 一方、第2日程を希望した生徒が1人いたという別の大阪府立高校の教頭は「2週間の猶予で少しでも勉強の遅れを取り戻したいと考えたのではないか」と説明する。同校でも休校中にオンライン授業を行うなどしたが、「生徒が学習状況に不安を感じるのは無理もないことだ」と受験生をおもんぱかった。

 第2日程を選択すれば、今回初めて実施される共通テストの出題傾向が把握できるという利点もある。

 しかし、原則として2月1日以降に始まる個別試験の対策に充てる期間の短縮を余儀なくされる。河合塾教育情報部の富沢弘和部長は「第2日程で思うように得点できなかった場合、個別試験に向けて気持ちを切り替える時間が十分に確保できるか心配だ」と話す。

 ■個別試験と重複

 1月に個別試験を予定する一部の私立大では、試験日が第2日程と重なってしまうケースも散見される。

 例えば、近畿大では1月30、31日に6万人規模が受験する入試を予定。共通テストの結果を合否判定に用いる方式も含まれているが、出願者は第1日程を選択するしかない。入試担当者は「2年前から会場を確保しており、日程の変更は難しかった」と説明する。

 また、第1日程の受験が体調不良などで困難となった場合、第2日程に切り替えが可能だが、第2日程の受験生は、個別試験の最中に実施される特例追試験(2月13、14日)に変更せざるを得なくなる。

 富沢部長は「総合的に考えて第2日程を選択するメリットは少ないといえるだろう。選択肢が設けられた当時は感染状況を踏まえた判断だったと思うが、結果的に受験生の混乱を招く一因になった可能性は否めない」と指摘している。

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