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少年法 18~19歳は起訴後の実名報道解禁を承認 「少年法そのものも議論して」 デジタルタトゥー危惧する声も

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1/3枚  少年法の適用年齢引き下げの是非を議論する法制審議会(法相の諮問機関)の部会が9日、少年の中で18~19歳を別扱いして厳罰化し、検察官送致(逆送)後に公判請求(起訴)されれば実名報道を解禁するなどとした答申案を承認。このニュースを受け、ネット上には今回の答申案のみならず、現行の少年法に対してもユーザーからのさまざまな意見が寄せられている。

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 法制審の総会を経て今秋には法相に答申される見通し。政府は来年の通常国会にも少年法改正案を提出する方針。答申案も主な部分は8月に示された原案とほぼ同じで、18~19歳は全事件を家庭裁判所に送致し、家裁調査官らが生い立ちなどを調べる仕組みを維持した。一方で、原則逆送(保護処分ではなく刑事処分が妥当であると家裁が判断し、検察官送致)する範囲は、現行の殺人など「故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪」から、強盗や強制性交を含む「短期1年以上の懲役・禁錮に当たる罪」に広げた。

 さらに起訴(略式を除く)されれば、18~19歳でも大人と同様、実名や顔写真など本人を特定する報道を可能とした。プライバシー保護や更生の観点から反対意見もあったが、報道の自由も考慮し、公開の法廷での審理が決まる起訴段階で解禁することにした。

 ツイッターでは、実名公表自体には賛成するユーザーが目立つが、同時に「年齢に関係無く、やったことで裁いて欲しい」「そもそも少年法が不要。罪に対して年齢による情状酌量があってはならない」「実名解禁だけ(しかも18歳からの限定的)ではなく、少年法そのものの必要性について議論してほしい。昔ならともかく、現代社会では少年の犯罪も明らかに凶悪なものも増え(殺人、強制わいせつ(強姦)、詐欺(受け子)など)従来の少年法が果たしてよいのかどうか」「少年法の目的には更生が含まれているわけだが、近年の少年事件は『大人にそそのかされたから』のようなものではなく、非常に悪質な大人顔負けの事件も増えている。このような性善説が優先された少年法では、社会が複雑化された現在は対応にほころびが出て当たり前」「更生を重んじるより、自分がしたことを自覚させることが大切だと思う」「軽い犯罪は少年法を適応してもよいと思うが重大犯罪は少年法を適用外にして、成人と同じ刑罰にするべき」など、少年法の考え方自体に異を唱えるコメントが非常に多い。

 「実名報道だけでなく、出所後もその住居などを市町村や関係各所が把握し地域住民に情報提供するなどするべき」「残虐な殺人を犯した者が、少年であるだけでたった数年で野放しになり我々の近くにいるかも知れない。犯罪者を守ることより一般市民を守ることに主眼を置いて欲しい」「『有罪確定後』の処置を厳しくすべきなんだよ。性犯罪ならGPS装着とか、地域での居住情報を共有とか、経済犯なら銀行口座は開設させないとか」など、裁判で有罪が確定した後の罰則や量刑を厳しくしたり、犯罪の種類によっては刑期を終え出所した後の監視体制を整備することで、犯罪抑止と公衆の安全確保につなげるべきとの意見も少なくない。

 被害者やその遺族の感情に寄り添い、「殺人、放火、強盗など重犯罪についても中学校卒業相当以上の年齢は実名でお願いします。『更生の機会が奪われる』とか言うけど、亡くなった人は戻らない。その後の人生をダメにし、家族、親族、友人知人にも一生消えない大きな傷を負わせた。自分だけ楽しい人生を送ろうとすることは許されない。実名報道を含めて更生できるのであれば、更生したと思えるだろう」と訴える声もあった。

 反対の立場をとるユーザーは、ツイッター上では少数派だが「そもそも成人であっても実名出す必要ないと思う。情報拡散社会において実名公表それ自体が実質的には強烈な罰になってしまっているし、家族などにも大きな不利益を与えており、罪刑法定主義、利益原則に照らして非常に問題がある。社会復帰のハードルも上がってより重い犯罪へのゲートウェイになってしまう面もある」と、いわゆるデジタルタトゥーによる社会的制裁の影響で再犯の恐れが高まり逆効果になるのではとの危惧が示されていた。

 実名報道の対象となる年齢については、「少年法は義務教育である中学生までで良いのでは」「中学生以上に変更で良くない? それくらいのころから自分でやることには責任持たないと」「年齢は16才くらいまで引き下げてもいいのでは?」など、さらに引き下げるべきとの意見のほか、「選挙権が与えられた段階で少年法も廃止し、しっかりと罰則を与えるべきであった」「成人年齢を20歳のままにするのであれば、選挙権も20歳以上にするべきだ。18歳はまだ未熟だと言って犯罪についてはかばい、そのくせ国政の大事にかかわる選挙については投票権を与える。『18歳ではまだ殺人の善悪は分からないが、議員候補が演説する内容は理解できる』とでも言うのか? 」など、選挙権と同じ18歳で線を引くべきとの意見も。

 実名報道のタイミングについては、「起訴段階では早いと思う」との指摘が少なくない。「起訴後というよりは有罪判決後即時に、の方が良いと思う」「起訴後って有罪確定してる訳じゃないし年齢関係なく実名は良くないと思うが」「あいまいだなぁ~推定無罪の原則に従って起訴されてもそいつは無罪なんだが」「個人的には『少年法は廃止でちょうどいい』ぐらいに思っているんだが、この『起訴後に実名解禁』ってのは、ちょっと納得できない」など、推定無罪の原則に照らして違和感を覚えた人が多いようだ。「むしろ、逮捕・実名発表後に誤認逮捕や不起訴になった人に対して冷たいことも気になる」など、実名公表後に誤りとわかった場合の対処への懸念も見られた。

 このほか、「ネットなどの勘違いしてる私刑をしてる人たち。きちんと法に基づいて、法に基づいた人がさばかなきゃいけないのに…。行き過ぎた勘違い正義をする人もきちんと特定して、捕まえなければ、加害者、被害者、その家族、周囲の人の安全を確保できないし 加害者はきちんとした法に基づいた罪を償うことにならない。ネットの勘違い住人もちゃんとみつけ、公表してほしい…これも法に基づいて」など、二次被害、風評被害の原因となり得る誤った情報拡散に加担するネットユーザーへの規制も同時に強化すべきとの指摘もあった。

写真一覧

  • 少年法改正に向けた答申案について議論した法制審議会の部会=9日午後、東京都千代田区(宮本尚明撮影)
  • 少年事件厳罰化の動き

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