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新型コロナで重症化リスクも! 心肺機能低下につながる高血圧

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産経新聞

東邦大学医療センター大橋病院循環器内科の原英彦准教授 1/1枚  【今から始めよう!70代まで働く健康術】

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 国内の死因第1位のがんに次いで、第2位をキープし続けているのが心臓病。70代まで元気に働くには、心臓を守ることも大切になる。加齢や生活習慣病などで心臓機能は低下しやすく、新型コロナウイルス感染症のような病気での重症化リスクも高い。では、心臓の健康を維持するためのポイントはなにか。

 「生活習慣病の中でも特に血圧のコントロールが、心臓の健康を左右します。高血圧の状態が長く続くと心臓への負担は重く、心臓の肥大や心臓弁の劣化につながるからです。高血圧を放置しないようにしましょう」

 こう話すのは、東邦大学医療センター大橋病院循環器内科の原英彦准教授。カテーテルを用いた大動脈弁置換術(TAVI)などの弁膜症治療や先天性心疾患の治療を得意とし、心臓病患者を数多く診ている。

 心臓は4つの部屋に分かれ、左上部の左心房から下部の左心室へ流れた血液は、太い要の血管である大動脈へ送られて全身に供給される。高血圧の状態が長く続くと、動脈硬化が進んで大動脈が硬くなるため、左心室が血液を送り出すときにより強い力が必要になる。

 「心臓は1日に約10万回、収縮・拡張を繰り返して拍動しています。高血圧で拍動する力が強くなると、心臓の筋肉である心筋が筋トレと同じようになって、心臓そのものが肥大してしまうのです」

 筋トレは、続けているうちに筋肉隆々となる。心筋も、高血圧で通常より強い力で動き続けると厚くなっていく。心臓の壁が厚く肥大すると、心臓にためるべき血液量が減ってしまうのだ。

 たとえば、大動脈へ血液を送り出す左心室が肥大して、拡張したときにたまる血液量が少なくなると、収縮したときに大動脈へ送り出す血液量も減る。これを『HFpEF(ヘフペフ/拡張不全)』という。

 「血管はストッキングのように水分が漏れる仕組みがあるため、心臓肥大で心臓にたまる血液量が減ると、血管から水分が漏れて肺に水がたまり、肺機能も低下します。心臓肥大は肺にも悪影響を及ぼすのです」

 心肺機能の低下は、元気に働くための足かせとなり、命にも危険が及ぶ。それを防ぐには、心臓や血管への負荷を減らすため、高血圧を放置しないことが重要だ。

 診察室での測定で140/90mmHg以上は高血圧と診断され、食生活の見直しの柱となるのは減塩。高血圧の人は1日6グラム未満(3グラム以上)が推奨されている。

 「高血圧の患者さんの塩分摂取量を尿で調べると、1日6グラム未満を達成している人は約1割です。1日8グラムが3~4割程度。減塩を意識していただきたいと思います」

 原医師が勧める減塩法は別項を参考に、高血圧をコントロールしよう。

                   ◇

 ■原医師お勧めの減塩法

 □食品表示の食塩含有量を見て少ない食品を選ぶ

 □塩の代わりにお酢やレモンなどを活用する

 □みそ汁は1日1杯まで。塩辛いものを食べたときには控える

 □速歩など、じんわりと汗をかく有酸素運動を心掛ける

 □むくみや塩分が多い人は、利尿剤が効果的なので主治医に相談を

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