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5G営業秘密持ち出し 背景に技術競争の激化も ソフトバンクは民事提訴検討

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産経新聞

ソフトバンクが第5世代(5G)の移動通信システムを始めると発表。対応スマホ4機種も披露した=2020年3月、東京・銀座(酒巻俊介撮影) 1/1枚  大手通信会社「ソフトバンク」の第5世代(5G)移動通信システムの基地局設備などの営業秘密を不正に得たとして、不正競争防止法違反(営業秘密領得)の疑いで元ソフトバンク社員の合場邦章容疑者が警視庁に逮捕された。合場容疑者が営業秘密を持ち出してライバル会社の楽天モバイルに転職していた背景には、5Gをめぐる携帯電話業界の技術競争激化もあるとみられる。

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 5Gのサービスはソフトバンク、NTTドコモ、KDDI(au)の大手3社が昨年3月から運用を始めており、楽天モバイルは3社より遅れる形で同年9月から開始していた。

 高速大容量を生かした5Gはユーザーの期待度も高いが、開始から1年近くが経過しても提供は都市部の一部に限られている。拡大が急加速しない一因には5Gに割り当てられた周波数帯の関係から基地局の設置場所が制限されることなどがあるとされている。

 こうした中、ソフトバンクとauは4Gの周波数を5G向けに転用する技術を用いるなどし、より早くエリア拡大を目指す構えを示す。一方、後発の楽天モバイルは4Gの通信網も整備途中の段階だとされる。

 警視庁によると、今回持ち出された営業秘密には4Gと5Gの基地局設備や基地局の設置場所の効率化といった情報が含まれているという。シティグループ証券の鶴尾充伸ディレクターは「一般論として、電話事業者の基地局の数はとても大事な情報。特に5Gは電波が飛ばず、よりたくさんの基地局を効率的に張り巡らせるかが重要になる」と話す。

 ソフトバンクは持ち出された情報が、転職先の楽天モバイルの合場容疑者の業務用パソコンに保管され、何らかの形で利用された可能性が高いとしている。

 ソフトバンクは「営業秘密の利用停止と廃棄などを目的とした民事提訴をする予定だ」などとコメント。楽天モバイルは「前職により得た営業情報を弊社業務に利用していたという事実は確認されていない。5Gに関する技術情報も含まれていない」などとしている。

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