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年間79億回閲覧の気象庁HP、民間資金を積極活用 

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産経新聞

気象庁設定すり抜け広告 1/1枚  気象庁のホームページ(HP)に不適切な広告が相次いで表示され広告の掲載を停止していた問題で、同庁が広告の表示方式の見直したうえで10月にも掲載を再開する方針であることが明らかになった。背景には、厳しい税収の中で民間資金の導入を求める政府の方針がある。ただ、気象庁が今回採用した広告は、地方自治体などで広く使われる広告主を直接募集して固定する方式ではなく、変動する運用型だった。専門家は「災害情報を伝える性質上、自治体以上に厳格な基準で運営すべきだ」としている。

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 《あらゆる分野において民間資金・ノウハウを積極活用》。今年度の骨太の方針はそう明記する。こうした中、気象庁は年間79億ページビューに上るホームページに着目。広告収入は閲覧数に応じて増えるため、来年度からはホームページの運営費2億4千万円を予算要求せず、広告収入で賄う「背水の陣」を敷いた。

 気象庁の今年度予算(一般会計)は経済対策で上乗せされた40億円を含めて約590億円で、その9割程度は人件費や維持費。天候や災害の予測精度向上などに必要な措置は残り1割で賄っており、近年の災害の多発にもかかわらず、厳しい財政事情が続いている。

 ホームページへの広告掲載は北海道や埼玉県など、多くの地方自治体が先行してきた。ただ、北海道が掲載するのは地場の企業など、事前に道が審査した企業の広告で、表示される広告は固定されている。地方自治体のホームページの広告業務を請け負う広告会社「ホープ」(福岡市)の担当者は「『運用型』を自治体に導入してもらえるような仕組みの構築を試みたことがあるが、自治体が審査許可した広告のみを表示するという形にはできず、見送った」と明かす。

 英国の気象庁では運用型の広告を導入しているが、ネット広告に詳しい関係者は「欧米では慣行として、上質な媒体には不適切な広告が表示されにくい形になっている」という。

 自治体の広告活用に詳しい麗澤大の川上和久教授(政治心理学)は「領土問題などで悪意のある広告が表示される可能性もあり、政府には自治体以上に厳しい基準が求められる」と指摘。広告掲載は歓迎すべきだとした上で「広告収入を省庁の予算として使えるようにすれば活用が広がるのではないか」としている。(荒船清太)

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