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中国、海底資源サンプル採取か 沖ノ鳥島周辺に無人潜水機投入、日本政府が確認

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産経新聞

中国海洋調査船「大洋号」=9日(海上保安庁HPから) 1/1枚  中国の海洋調査船「大洋号」が7月に沖ノ鳥島(東京都小笠原村)周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)で無許可海洋調査を実施した際に、遠隔操作型無人潜水機(ROV)を海中に降ろし、海底資源サンプルを採取した可能性があることが5日、政府関係者への取材で分かった。中国は沖ノ鳥島について、条約でEEZが設定されない岩と主張。周辺海域に豊富にあるとされる鉱物資源を狙ってサンプルの分析を進めるとみられるが、日本政府は中国側の調査を止められないでいる。

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 中国は自国の大陸棚延長を主張する沖縄沖での過去の調査でも、ROVを運用していることが確認されている。中国は今回を含め日本政府の事前同意がない調査を繰り返しているが、日本政府は中国側が実際にどのようなサンプルを採取しているかなどを現場で確認できない状態が続いている。

 海上保安庁によると、大洋号は7月9日以降、沖ノ鳥島周辺の日本のEEZで調査を実施。18日にEEZ外に出たが、24~27日にEEZ内に戻り航行、漂泊を繰り返した。海域一帯を継続的に調査していたとみられる。大洋号がEEZ内で無許可調査をしていた7月には、中国海警局の船が尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で連日航行を続けていた。

 政府関係者によると、日本政府は、大洋号が7月11、12日に沖ノ鳥島から北北東約160キロの海域でROVを投入したことを確認。ROVは有線式で、装備した水中カメラやロボットアームを調査船側から操作する。カメラを確認しながら海底を掘削し、堆積物を収集することが可能で、調査船に搭載されたROVは通常、サンプル採取のために運用されるという。

 日本最南端の沖ノ鳥島を中心とする日本のEEZは国土より広い約40万平方キロ。周辺の海底には、電気自動車向け蓄電池などの製造に欠かせないレアメタル(希少金属)のコバルトやニッケルを含んだ板状の「マンガンクラスト」が存在しているとされる。国は資源開発の拠点を整備すれば約1400億円の利益を生むとする試算を出している。

 大洋号は今回の調査でROV以外にも、「採水器」や海底の泥を採取して地質を調べる「採(さい)泥(でい)器」、地殻の構造を探査するための「エアガン」、漁業資源量のモニタリングに用いる「プランクトンネット」も運用。また、日本が命名した海底地形の直上を航行し、ソナーなどを使って海底の形状について測量精度を確認していた可能性があるという。

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 沖ノ鳥島 東京から約1700キロ離れた日本最南端に位置し、東小島と北小島、2島を取り囲むサンゴ礁(東西約4・5キロ、南北約1・7キロ)で構成される。日本は昭和6年の内務省告示以来、島を支配し、排他的経済水域(EEZ)などを設定。中国は平成16年ごろから、日本の領土と認めながらも、岩だと主張し始めた。国連海洋法条約は「居住または独自の経済的生活を維持できない岩はEEZを有しない」と規定している。

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