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日本特有なのか 成人した子の不法行為、親の責任は

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成人した家族の不祥事に本人はどう対処したのか 1/1枚  未成年ではない家族が事件を起こした場合、親はどこまで責任を取るべきなのか。大阪府吹田市で警察官が刺され拳銃が奪われた事件で、逮捕された容疑者の父親が「一身上の都合」を理由に、勤めていた民放テレビ局の役員を退任した。原則、成人した子供の不法行為について、親が法的責任を問われることはない。ネット上では「容疑者は成人している」「理解できるが何か引っかかる」との意見も目立った。家族問題に詳しい専門家は「親子を一体的に考える日本特有の現象」と話す。(細田裕也、森西勇太)

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 「息子に酷似している」。事件が起きた6月16日、強盗殺人未遂容疑で逮捕された飯森(いいもり)裕次郎容疑者(33)の父親(63)は、公開された不審者の映像を確認し自ら警察署に届け出た。

 関西テレビ(大阪市)の常務取締役だった父親は、息子が逮捕された17日、代理人を通じ「被害者に心よりおわび申し上げる」「警察の捜査に全面協力する」とのコメントを公表。同社によると、常務に再任予定だったが、同日中に辞退届を提出した。

 息子が社会を震撼(しんかん)させた事件に関わった責任を取ったとみられるが、加害者家族を支援するNPO法人「ワールドオープンハート」(仙台市)の阿部恭子理事長(41)は「(事件取材に携わる)マスメディア関係者だったことも影響したのだろう」。ただ「退任は社会的制裁の一つでしかなく、被害者に対しての何かになるわけではない」とも話す。

 阿部理事長はこれまで、約1500件の加害者家族を支援。「(対象は)経済的に中流から上流の家庭が多い。そして親の社会的地位が高いほど、失うものも大きいとの印象がある」とし、そうした家族の支援も不可欠と訴える。

 芸能界や政界も含め、子供の不祥事が親の進退に影響を与えたケースは枚挙にいとまがない。

 中央大の山田昌弘教授(家族社会学)は「日本や東アジアでは、いつまでも親子を一体的にとらえる価値観がある。地域特有の概念」と指摘。対して欧米のキリスト教圏では、成人まで育てれば親の役割は終わりとの考えが根強く、「仮に子供が事件を起こしても、同情や激励の手紙が親に寄せられたりするくらいだ」という。

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