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【朝ドラのころ】「ノンちゃんの夢」藤田朋子(4)身につけたテレビの演技と度胸…「渡鬼」でも臆することなく

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サンケイスポーツ

「ノンちゃん」の挙式シーン撮影で晴れやかな表情を見せる前列左から河内桃子、山下真司、藤田、柳生博、後列左から丘みつ子、鈴木保奈美、中原早苗、中村梅之助=1988年撮影 1/2枚  女優、藤田朋子(55)がヒロインを演じた1988年前期のNHK連続テレビ小説「ノンちゃんの夢」。連載の最終回は、オーディションを受けるきっかけとなったミュージカル「レ・ミゼラブル」の秘話や、自身の代表作であるTBS系長寿番組「渡る世間は鬼ばかり」のエピソードを披露。「その場面で必要とされる役者でいたい」などと今後の“夢”も語った。

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■1人13役!こなした舞台で猛訓練

 「ノンちゃんの夢」のオーディションを受ける前に出演していたミュージカル「レ・ミゼラブル」では、1万人の応募から、その他大勢のキャストに選ばれ、1人で13役を演じました。当時は盆(回転舞台)をどんどん回して場面転換し、私たちが入れ替わることで場面が変わる見せ方でした。

 お稽古では、まず自分の好きなキャラクターを3人選び、それぞれ癖と性格を決めて場面を作って、一人芝居として10分ずつ演じました。その10分を5分でまとめ、5分が1分、1分が30秒、30秒が10秒、10秒が5秒、最終的には1秒になって、パッパッパとキャラクターを変える訓練をしました。

 幕が開くときは11枚の衣装を重ねて、袖に入る前に1枚脱いで、どんどんキャラクターを変えました。一番きれいでちゃんとしていなくちゃいけない貴婦人への早替えでは、スイッチをリセットするために、口紅を塗って舞台に出ました。

 だから、今でも舞台を見に行くと、舞台袖の近くにいる人を見ちゃいます。そういう人が息づいていることで舞台の世界観がリアルになってくるんです。

 そして、映像の世界を教えてもらったのが朝ドラでした。見ていた方には恐縮ですが、朝ドラをやりながらテレビの演技を体験する学びの時間でした。演技は勉強してきたつもりだったけれど、テレビでの役を落とし込んでいく方法をいい環境でじっくり教えてもらいました。たくさんの撮影方法を学びました。

■ずうずうしくて怒られたことも

 「ノンちゃん」から3年後には「渡る世間は鬼ばかり」が始まりました。朝ドラでベテランに囲まれても物おじしない度胸ができました。テレビでずっと見ていた山岡久乃さんがお母さん、長山藍子さんはお姉ちゃんでしたが、役で接することを朝ドラで教えてもらったので、ベテランだから緊張しちゃうっていうのがありませんでした。逆にずうずうしくて、怒られたこともありましたけど(笑)。オーディションで選ばれたんだから、できないわけがないって変な自信があって。何度怒られても、できると思われているから怒られているんだって思っていました。できないことは私にはないんだという気持ちが培われました。

 「渡る-」の脚本家、橋田壽賀子さんやプロデューサーの石井ふく子先生は、お気持ちが若い。好奇心が絶えずあって、しかもアンテナが年配の方が求めていないところに触れていて。年齢はおばあちゃんですけど中身は一番、バリバリ働いている人と変わりません。いつまでも尊敬する年上の女性として接させてもらっています。

 これからもセリフが覚えられるうちはこの顔、この声で必要とされる役者でいたい。それだけです。大きな役ではなくて、その場面で必要な人でいたい。花火であがった最後に散っていくくずみたいな…。くずがないと花火は開くことができないから。それぞれの作品の中できちんと必要な存在を演じていたいです。(おわり)

★渡る世間は鬼ばかり

 TBS系で1990年にスタートした「渡鬼」の愛称で知られるホームドラマ。昨年、文化勲章を受章した橋田壽賀子さんが脚本を担当。岡倉大吉(故藤岡琢也さん、故宇津井健さん)・節子(故山岡久乃さん)夫婦と5人の娘、弥生(長山藍子)、五月(泉ピン子)、文子(中田喜子)、葉子(野村真美)、長子(藤田)たち家族の悲喜こもごもを描き、通算放送回数は511回を誇る長寿番組。

写真一覧

  • 長寿番組「渡鬼」で末っ子の長子を演じている藤田(右)。左から中田喜子、長山、宇津井健さん、石井プロデューサー、橋田さん、泉ピン子、野村真美=2010年撮影

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