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店じまいしたくてもやめられない 新潟飲食店業界がSOS

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コロナ禍で苦境に立つ飲食店経営者が3月末、花角英世知事(手前左)に支援を要望した=新潟市中央区の県庁(本田賢一撮影) 1/3枚  新型コロナウイルス感染者数が高い水準で推移し、新潟県は今、飲食店に営業時間の短縮(時短)を要請するかどうかのギリギリのところにある。そんな中、借入金で何とか営業を続けてきた居酒屋など夜型飲食店の中には、店じまいを考える経営者も多い。ところが、店を閉めようにも閉めることができない状況が生じているという。何が起きているのか。(本田賢一)

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退去時の原状回復義務

 今年に入り、県内の夜型飲食店の経営環境は急激に悪化している。

 新潟市中央区で居酒屋やすし店など5店舗を経営する栗林嘉晃さん(45)は「昨年12月に県が独自のコロナ警報を出して以降、夜の街から人が消えてしまった。売り上げが昨年より6~7割ダウンした店もあり、ダメージはリーマンショックや東日本大震災より大きい」と明かす。

 こうした状況に店じまいを考える経営者も多い。ところが栗林さんによると、店舗の賃貸契約の中に、退去する際は改装した店舗を元の状態に戻す原状回復義務があり、高額の解体費用を捻出できず店じまいしたくてもできない人もいるという。

 解体費用は近年高騰し、「3年前の3倍以上といわれている」(栗林さん)という。3年前というと、中国が、海外からの廃棄物輸入を段階的に禁止し始めた時期である。日本も中国に廃プラスチックなど大量の廃棄物を輸出していたが、これらを国内で処理しなくてはいけなくなり、廃棄物の処理料金が高騰。解体費用には解体時に出る廃棄物の処理コストも含まれるため、高騰している。

店じまいに1千万円

 3月末、栗林さんら夜型飲食店経営者8人が花角英世知事と面会し、支援強化を要望。その一人、同市内の居酒屋経営者は「コロナの影響で9店舗中2店舗を閉めたが、1店舗を閉めるのに約1千万円かかった。借り入れで1年間耐えてきたが、このままではあと1年持つかどうか」とSOSを送った。

 県は、売り上げが2カ月連続で前年同月比20%以上減っている県内飲食店事業者を対象に、20万~40万円を支給する支援策を実施。新潟市も、県の支援金を受け取った事業者に上乗せする形で10万円を支給する。

 栗林さんは「この支援金は大変ありがたい」としつつも、「支援額はうちの1つの店舗のひと月分の家賃にもならないのが実情」。飲食店経営者の間には家賃補助を求める声が根強い。

感染、瀬戸際の状況

 県内では3月中旬以降、新潟市などを中心に感染者が増加。1週間当たりの感染者数はそれまで30~60人程度で推移していたが、3月31日~4月6日には166人と2倍以上になった。

 県と新潟市は、同市内の夜型飲食店に見回り調査を実施し、従業員に無料のPCR検査を勧めるなど感染対策の徹底を呼び掛けている。それでも感染拡大に歯止めがかからなければ、時短要請も視野に入れている。

 夜型の飲食店経営者から街に人が戻るような支援策を要望された知事は、こう語った。

 「感染状況によっては、みなさんの事業活動にもう一段厳しい制約(時短)をお願いしなくてはいけない瀬戸際の状況にある。申し訳ないが、感染拡大を抑え込むため非常に難しい状況にあることも理解していただきたい」

 知事も新潟にとって食が大事な経済資源で、居酒屋などがその担い手になっていることはわかっている。しかし、感染拡大の中で、非常に難しいかじ取りを迫られている。

写真一覧

  • 新潟駅周辺の飲食店を訪問し店長に新型コロナ対策の徹底を呼び掛ける新潟市職員(左)=9日、同市中央区(代表撮影)
  • 新潟駅前の飲食店に新型コロナ対策の徹底を呼び掛けるチラシを配布するため集合した県と新潟市の職員=同市中央区(本田賢一撮影)

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