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日銀景気判断、北海道と東北を引き下げ まん延防止でじわり下押し

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産経新聞

東京都中央区の日本銀行本店(川口良介撮影) 1/1枚  日本銀行は15日、4月の地域経済報告(さくらリポート)を公表し、全国9地域のうち、7地域で景気判断を1月の前回報告から据え置いた。新型コロナウイルス感染拡大の影響でサービス業は厳しい状況が続くが、海外経済の回復で多くの地域の生産や投資が好転し、マイナス要因を相殺した。一方、北海道と東北は判断を引き下げた。宮城県や東京都などで適用された「蔓延(まんえん)防止等重点措置」の景気下押しで、地域や業種間の景気格差がさらに広がる懸念も強まる。

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 需要項目別の判断で大きく改善したのは生産だ。近畿など5地域が判断を引き上げ、残る4地域が判断を据え置いた。

 世界的な半導体不足で自動車メーカーの生産に影響が出たものの、「鋼材需要が回復を続けてきた自動車向けに加え、最近では産業機械向けや建設機械向けにも回復の動きが広がっている」(水戸の生産用機械)といった声もあり、製造業の幅広い業種で回復が顕著となった。

 一方、感染の再拡大による外出の自粛や時短営業の広がりで、旅行や飲食などの対面型サービス業の不振は継続。個人消費は中国と九州・沖縄で判断が据え置かれたが、7地域で判断が引き下げられた。

 旅行や飲食業への打撃は深刻で「居酒屋は感染症への警戒感が続くもとで、客足の戻りは芳しくない」(名古屋の飲食)といった声は多い。

 旅行や飲食業への依存度が高い北海道や3月に感染者が急増した東北はサービス業態悪化の影響を強く受けた格好だ。日銀の大山慎介仙台支店長は同日の支店長会議で「足元はサービス消費を中心に新型コロナウイルス感染症再拡大の影響が強まっているとみられる」と報告。東北6県の景気判断を引き下げた。下方修正は昨年7月以来、3四半期ぶりだ。

 好調な生産の恩恵で景気判断を維持している他の7地域も先行きの景況感は厳しい。蔓延防止等重点措置は、大都市周辺地域への適用拡大で、サービス業や個人消費の悪化に拍車をかける可能性が高い。

 日銀の高口博英大阪支店長は同日の会見で、「家電量販店の客足が3月に比べて足元で1~2割減少している」と述べ、すでに蔓延防止等重点措置などの影響が顕在化していると説明。「対面サービス業への下押し圧力は強まっており、(好調な)生産と(不振な)個人消費の二極化が鮮明になる」としている。(西村利也)

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