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陸前高田に「日本最大の農業テーマパーク」 ワタミオーガニックランド4月29日オープン

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産経新聞

岩手県の達増知事(前列左)と陸前高田市の戸羽市長(同右)に内覧会で概要を説明した=今月7日 1/1枚 【経営者目線】

 4月29日にオープンする日本最大級の有機農業テーマパーク「陸前高田ワタミオーガニックランド」の上棟式と内覧会を7日に行い、岩手県の達増拓也知事も視察に訪れた。コロナ禍の懸念もあったが、ようやくこぎつけられ、安心している。

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 陸前高田市の戸羽太市長は復興の現状を「ハードの工事はほぼ終わり、普通に過ごす準備ができて、これから『魂』を入れる、新しい産業を呼び込む段階にやっと入れた」と語る。

 ワタミオーガニックランドは、「命」をテーマに、農業から命の連鎖を学ぶ「循環型6次産業モデル(ワタミモデル)」の象徴だ。

 津波によって大きな被害を受けた中心市街地の、広大な土地の有効活用を提案されたところから話がはじまった。戸羽市長によると、同市人口は2010年の国勢調査では約2万3300人、現在は1万8000人に減少したという。

 こうした中で、戸羽市長は「外から人が来ていただいてはじめて街が成立する。本当の持続可能を求めないと街が淘汰(とうた)される」と危惧する。体験型の農業テーパマークは国の追悼施設とあわせて「観光的にメインになる」と期待を込めていただいた。

 同市では、若者の都市部への流出と高齢化が深刻で、将来の日本の「縮図」もみえる。戸羽市長は、9年前に私のラジオ番組に出演していただいた際、「ノーマライゼーションという言葉のいらない街」を作りたいと語り、障害者や高齢者の分け隔てない生活を目標としていた。

 オーガニックランドでは、高齢者や障害者の方が若者と一緒に同じ仕事ができ、故郷にいながら、地元の若者もひと月に1回都会に商社マンのように営業に出られる、こうした市長の理想形も形にしていきたい。

 さらに修学旅行の聖地にしたいと思う。日本の農業テーマパークの上位5位に入るレベルの年間来場者数50万人、物販にも力を入れ、50億円の売り上げを目指す。

 戸羽市長は、陸前高田のこれからを、都会暮らしに疲れた人が訪れ、「ぼろぼろの街でも復活するんだ。もう一度東京で頑張ろう」という気持ちになれる町全体を「パワースポットにしたい」と語っていた。ワタミオーガニックランドもその一助になれる。

 私はさきごろ、政府の復興委員に就任したが、「生の声が届きづらく、届いたときもそれに対して議論されてこなかった」と市長は語る。私も市長と密に話し、現地で事業を行う経営者として、生の声を伝える役を担っていきたい。

 いよいよ夢の種を蒔く。被災地復興、地方創生という大きな収穫を目指したい。

(ワタミ代表取締役会長兼グループCEO・渡邉美樹)

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