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東電柏崎刈羽に停止命令 原発への信頼失墜 エネルギー政策の見直しに影 

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産経新聞

 東京電力柏崎刈羽原子力発電所(新潟県柏崎市)の核物質防護に関する不備をめぐり、原子力規制委員会は14日、同原発での核燃料の移動を禁じる事実上の運転禁止命令を出した。国民の原発に対する信頼が損なわれることは避けられず、脱炭素社会の実現に向けて原発の活用を目指す政府の動きにも影響が出る可能性がある。二酸化炭素(CO2)を排出しない原発の優位性を踏まえれば、東電には信頼回復に向けた厳格な取り組みが求められる。

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 「正直、けしからん話だ。東電には原因究明をとにかく急いでほしい」

 今回の決定を受け、経済産業省関係者は東電への不満をあらわにした。

 東電は「経営層自らが先頭にたち、原因を究明し、抜本的な改革を進めていく」としている。ただ、早期の再稼働を目指してきた柏崎刈羽原発が商業炉として事実上の運転禁止となったことは、東電だけの問題にとどまらない。

 東電福島第1原発事故後、原発の安全性に対する信頼が失われた結果、日本国内で再稼働された原発は9基にとどまる。今回の東電の不祥事で国民の不信感が高まることは避けられず、各地で調整している他の原発の再稼働にも少なからず影響が出そうだ。

 一方、政府は13日には福島第1原発の処理水の海洋放出という重い決断をした。脱炭素社会の実現に向け、国民の信頼を醸成しながら、原発政策も前進させたいところだった。長期的な国内のエネルギー方針を示す、次期エネルギー基本計画の策定に向けた議論が本格化する中、新設やリプレース(建て替え)に関する議論まで踏み込む必要性を見据えている。

 こうした中、東電は改めて社内の安全対策方針の抜本的な見直しに加え、改善状況を細かく情報発信し、原発への信頼回復を急がねばならない。一方、原発を含めた長期的なエネルギー政策の議論に関しては、原発の安全な運用という重い課題をクリアしながら、冷静に進める必要があるといえそうだ。(那須慎一)

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