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東芝の争奪戦、さらに混迷へ 解任目前で車谷社長の辞任劇 物言う株主、CVC買収提示額は「安すぎる」

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産経新聞

進退窮まった車谷氏(共同) 1/1枚  英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズから買収の提案を受けている東芝でお家騒動だ。14日の臨時取締役会で車谷暢昭社長が辞任を表明、後任に前社長の綱川智会長が復帰する。CVCの日本法人会長を務めていた車谷氏に対し、他の取締役らは買収提案を「私物化」とみて不満が噴出していた。今後の東芝争奪戦はさらに混迷する可能性もある。

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 三井住友銀行副頭取だった車谷氏は2018年4月に東芝の会長兼最高経営責任者(CEO)に就任、20年4月からは社長兼CEOを務めているが、「物言う株主」との関係が悪化し、昨年の定時株主総会では再任議案の賛成が57%台にとどまり、今年6月の総会での再任が危ぶまれていた。

 今月6日、CVCが東芝買収を提案。株式を非公開化して改革を進めるという現経営陣にとって渡りに船の内容で、17~18年にCVC日本法人会長だった車谷氏への不信感が東芝社内で高まっていた。

 9日には永山治取締役会議長(中外製薬名誉会長)が、「提案は当社の要請によるものではなく、事業などに関する詳細な検討を経たうえで行われているものではない」と異例の声明を出したことで、「反車谷」の流れは加速。14日の臨時取締役会で解任を図る考えで、車谷氏は辞任表明せざるを得なくなった。

 今後は新経営陣がCVCの買収提案を検討することになる。1株5000円、総額2兆3000億円規模で買い取る方針だが、米投資ファンドのKKRや、カナダの投資会社も買収案を提示すると報じられている。すでに物言う株主の一部からは、CVCの提示額が「安すぎる」という声も出ている。

 東芝は原子力事業に加え、半導体大手キオクシアホールディングスの株式も約40%保有。半導体は米中対立の火種となっている戦略物資だ。東芝にとって難題山積であることに変わりはない。

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