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東芝社長辞任の車谷氏、買収提案「保身」が続投閉ざす

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産経新聞

2018年2月、記者会見する車谷暢昭氏(左)と綱川智氏=東京都内 1/1枚  東芝は14日、車谷暢昭社長兼最高経営責任者(CEO)が同日付で辞任したと発表した。車谷氏は東芝として53年ぶりの外部起用の経営トップとして平成30年に東芝会長に就任。その後、不正会計問題などで傷ついた東芝の経営基盤の立て直しにはめどをつけたものの、企業統治などをめぐり株主との関係は悪化し、社内の求心力も失われつつあった。CVCキャピタル・パートナーズによる東芝の買収提案もかえって保身を疑われる結果となり、続投の可能性を閉ざす結果となった。

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 車谷氏は平成30年4月に会長として東芝入り。社会インフラやITサービスを中心とした事業構造への変革を指揮した。令和3年3月期は本業のもうけを示す連結営業利益が1100億円になる見通し。新型コロナウイルス禍もあって前期よりは約200億円少ないものの、2年前の354億円よりはかなり多い。1月には約3年半ぶりの東証1部復帰を果たした。

 14日の記者会見には姿を見せなかったが、「再生ミッションが全て完了し、かなり達成感を感じている」とのコメントを発表した。

 ただ、株主の信頼は得られなかった。東芝は経営再建の過程で6千億円規模の第三者割当増資を実施した結果、物言う株主を含む外国株主の比率が約7割と高い。昨年1月の子会社による不正会計発覚などを受け、こうした株主は次第に車谷氏への批判のトーンを強めていった。

 再任が決まった昨年7月の定時株主総会をめぐっては運営上の不備が発覚。筆頭株主のエフィッシモ・キャピタル・マネージメントなどが開催を求めた今年3月の臨時総会では、第三者として調査にあたる弁護士の選任が提案され、賛成多数で可決されている。

 さらに車谷氏のトップダウンの経営手法に不満を抱く社員も少なくなかった。指名委員会が1月、上級幹部に絞って社長への信任を調査したところ、不信任の割合が過半数に達したという。経営上の数字を重視する元金融マンで、外部起用のトップとして社内に足がかりがなかったことが孤立を招いた面も否めない。

 一方、6日付のCVCの初期提案には現経営陣が引き続き経営を担う旨が記されており、車谷氏の続投に追い風となる可能性があった。しかし車谷氏が過去にCVCの日本法人会長を務めていたため利益相反に当たるとの指摘が上がり、提案は車谷氏を救うことが目的との見方が広まった。

 永山治取締役会議長は14日の会見で辞任の理由を「個人的なご都合」と説明。買収提案との関連や解任の動きを否定したが、「慰留したのか」との問いには、「ご本人の固い意思ということで受理せざるを得なかった」と述べるにとどめた。

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