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【外信コラム】接種しなければ不利益 「ワクチン強制力」

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産経新聞

新型コロナウイルスワクチンを接種する外国人記者=3月23日、北京(共同) 1/1枚  「この前、ワクチンを接種しましたよ」

 最近、中国人に、こう言われることが多くなった。

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 中国政府は、昨年末に新型コロナウイルスの国産ワクチンを承認し、公共交通機関の従業員など感染リスクが高い職種の人から接種対象者を拡大。接種は無料で、国内での接種実績は4月上旬までに1億5千万回を突破した。スマートフォンの配車アプリでは、運転手がワクチンを接種したかどうか表示されるようになったが、最近は大方が「接種済み」となっている。

 専門家は、集団免疫獲得には「人民大衆の70~80%の接種が必要だ」としており、当局は接種を進めたい考えだが二の足を踏む中国人も多い。上海の日系企業で働く40代の女性は「今も流行が深刻な海外と違い、中国にいる限り感染リスクは低い。必要性を感じないので、当面は打たないつもりだ」と話す。中国は強権的な対策で感染拡大を抑えており、それが皮肉にも接種機運をそいでいる。

 ただ、ある配車アプリの運転手によると、ワクチンを打てばPCR検査(自費)の結果を定期的に会社へ提出しなくて済むようになることが背中を押している。中国当局は「接種の強制はダメだ」と表明しているが、接種しなければ不利益を被るという事実上の強制力もまた、働いているようだ。(三塚聖平)

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