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【主張】蔓延防止措置拡大 「第4波」を全力で抑えよ

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産経新聞

 ■若者も今まで以上に警戒を

 新型コロナウイルス感染症の第4波を抑え込む最後の機会ととらえ、全力を尽くすしかない。

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 政府が「蔓延(まんえん)防止等重点措置」の対象に東京、京都、沖縄の3都府県を加えることを決めた。

 12日から適用し、東京は5月11日まで、京都、沖縄は5月5日までとなった。3都府県の全域ではなく、東京都は23区と八王子市、調布市など、京都府は京都市、沖縄県は那覇市などを対象とする。新型コロナの蔓延を阻むために3都府県を加えたのは妥当だ。

 ≪政府見通しは甘かった≫

 東京で緊急事態宣言が解除されてから3週間足らずで重点措置が決まったことは、政府や小池百合子都知事らの見通しの甘さを示している。手ごわいウイルス相手に、行き当たりばったりの対応であるのは否めない。

 宣言解除を決めた3月18日に政府は、飲食での感染防止や変異株の監視強化、戦略的検査の実施などを打ち出した。

 だが、これらのタイミングや規模は、第4波を防ぐには十分ではなかった。そもそも対策の多くはとっくに整備されていなくてはならないものだった。

 先行して重点措置が講じられた大阪では、英国型を中心に感染力の強い変異株が流行の主体となっている。大阪の新規感染者数は過去最多を更新し、重症化率は既存の型よりも高い傾向にある。それだけ病床が埋まり、医療体制は危機にある。

 このような事態を繰り返してはならない。大阪などの厳しい状況を一日も早く改善すべきなのはもちろんだ。

 重点措置の下で、飲食店の営業時間を午後8時までに短縮する。要請に応じなければ知事は時短を命令できる。違反には20万円以下の過料を科す。イベント入場の上限は5千人にする。菅義偉首相は対象地域について不要不急の移動を極力避けるよう呼びかけた。

 政府や自治体が要請するだけでは実効性はあがらないだろう。東京は、飲食店の数が極めて多い。都と飲食店の間の信頼関係が崩れたままでは、対策の思うような運用は難しくなる。

 人々の「コロナ疲れ」「コロナ慣れ」は明らかだ。飲食店の時短やマスク着用、マスク会食の徹底などを店側に丸投げにするだけではだめだ。時短で疲弊した店側の負担が大きすぎる。

 疑問なのは、東京に近い埼玉、千葉、神奈川や、大阪に近い奈良などの各県への重点措置適用を見送ったことだ。政府は機動的に対応するというが、手続きには数日かかる。新規感染者数の水準がステージ4(爆発的感染拡大)に達している地域を抱える県もある。東京や大阪周辺の県への重点措置も決めておき、知事がいつでも個別の市町村へ適用できるようにしておくのが得策ではないか。

 ≪周辺県への指定も急げ≫

 東京の陽性者でも、英国型やE484Kといった変異株の割合が急増している。検査態勢の強化は急務だ。

 英国型は既存の型よりも若者や子供たちへの感染力が強いのも特徴だ。今まで感染しなかった生活行動でも今度は感染するかもしれない。それを若者らに理解してもらい、警戒を強めたい。

 新年度を迎え、対面授業を再開した大学も多い。小池都知事は8日、オンライン授業などの対策を呼びかけた。萩生田光一文部科学相は9日、重点措置が決まった地域の大学にも対面授業を求めた。足並みの乱れは解消すべきだ。一方で、学校側は流行拡大に備え、オンライン授業の準備も急ぎ済ませてほしい。

 新型コロナ感染症対策の切り札は、ワクチンや治療薬だが、それが人々のもとに届かないのは極めて残念だ。

 河野太郎ワクチン担当相は9日、全国約3600万人の高齢者が2回接種するワクチンを6月中に確保できるとの見通しを示した。5月中旬以降は自治体が求める量のワクチンを供給できるとしたが、当面の事態には間に合わないということだ。

 まず、高齢者よりも優先対象の医療従事者の接種を終わらせるべきだ。その上で、ワクチンを全国一律に薄く配るのがいいのか。大阪など蔓延地域の高齢者にまず重点接種することが、犠牲者を減らすのに役立つかを検討したらどうか。有効ならそれは公正な配分方法といえる。

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