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【主張】変異株の検査 官民の連携で拡充を急げ

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産経新聞

 新型コロナウイルスの変異株のスクリーニング(ふるい分け)検査に全力を挙げるときだ。

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 蔓延(まんえん)防止等重点措置が発令中の大阪府では英国型を中心に変異株が広がっている。7日の新型コロナ新規陽性者数は過去最多の878人で、吉村洋文府知事は医療非常事態宣言を出した。

 変異株の抑え込みには、検査が重要だ。変異株かどうか分かれば、保健所は患者やクラスターをきめ細かく把握できる。医療機関も患者をより適切に扱える。

 田村憲久厚生労働相は緊急事態宣言の解除に際し、変異株のスクリーニング検査を全国的に40%へ引き上げる目標を掲げた。3月下旬には陽性者の30%程度だったが、目標を掲げて3週間たった今はどうなのか。40%を達成しても満足してはいけない。さらなる拡充をしてもらいたい。

 スクリーニング検査はPCR検査の一種で、大病院や民間検査会社などから陽性者の検体を回収して、主に都道府県の地方衛生研究所が行っている。岡山県のように全ての陽性者を対象にするところも出てきたが、大都市部では苦戦している。

 東京都では、コロナ陽性特定の95%を民間検査機関や大病院などが行っており、検体の回収態勢が整っていない。都の目標は4月上旬に25%で、国の掲げる目標にさえ遠く及ばない。東京では関西とは異なり、E484Kという新たな変異型が広がりつつあると言われるが、これへのスクリーニング検査はされていない。この監視態勢構築も課題だ。

 最初の緊急事態宣言発令から1年がたっても、検査態勢を整え切れない政府と自治体は、国民と住民の負託に応えていない。猛省すべきである。

 神戸市は陽性者の6割超の検体を回収し変異株の検査を行っている。PCR検査の能力が全国的に不足していた昨年5月、同市は市内の大手検査機器メーカーに要請してPCR検査の態勢を築き、住民の検体が散逸せずに済んだ。

 政府は数字の達成を迫るだけでなく、都道府県が民間検査機関などと効率的で合理的な連携を築けるよう支援してもらいたい。検体の集約が難しければ変異株の特定まで各検査機関で行うことも検討したらどうか。病床確保と同様に検査でも地域での官民連携を築く契機としたい。

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