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【話の肖像画】歌舞伎俳優・中村獅童(48)歌舞伎で「スパイダーマン」!!

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産経新聞

スパイダーマンの熱狂的なファンとして知られる 1/1枚  ■歌舞伎で「スパイダーマン」!!

 《米マーベル・コミックが出版するアメリカンコミックのヒーロー、スパイダーマンの熱狂的なファンとして知られる。昭和53~54年にテレビで放映されていた日本版「スパイダーマン」にはまったのがきっかけだ》

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 日本版「スパイダーマン」は実写版だったけれど、コスチューム以外は原作コミックとは全然違って、ストーリーとかほぼ日本のオリジナルなんです。そのストーリーが大人びていておもしろく、子供のころはよくスパイダーマンのまねをして遊んでいました。大人になってからも、スパイダーマンのポーズが自然と出てくるんですよ。しかも完璧に。よほど子供のころにまねしたのだと思います。

 スパイダーマンの夢もよく見ましたね。30歳の誕生日前夜に見た夢は、あまりにリアルだったのでよく覚えています。自分がスパイダーマンになってビルからビルに飛び移って、「そうか、俺はついにスパイダーマンになったんだっ!」て喜んでいたら、黒人の集団がすごい勢いで追いかけてきて、その先頭を走るのがボブ・サップ(米国の格闘家)なんですよ。「やべぇ、追いつかれる」と必死に逃げるんですけれど、そういうときに限ってスローモーション。「やばいっ」と思った瞬間、「バイク、バイク!」と寝言を言っていた。スパイダーマンはバイクに乗らないのにね。

 《平成16年、米映画「スパイダーマン2」(サム・ライミ監督)の製作サイドから“日本のスパイダーマン”に任命され、日本公開に向けて宣伝プロデュースも手掛けた》

 ジャパンプレミア試写会の1カ月ほど前から、スタッフと打ち合わせをしてアイデアを練りました。日本でやるのだから和のテイストを取り入れて、入り口に竹のオブジェを飾ったり、オープニングでは和太鼓の演奏に乗せて、僕がスパイダーマン風の着流しで登場して、舞台上でスパイダーマンに早変わりしたりしました。もちろん腕を伸ばして糸を出す攻撃ポーズも決めましたよ。会場のお客さまには喜んでいただけたと思います。試写会に来られなかった方たちのために、有楽町マリオンの壁に「スパイダーマン2」の映像も流してもらいました。当時、そういう演出は本邦初だったらしいです。見た人はきっと驚いたと思います。それから、あのときは公式サポーターとして、スパイダーマンのスーツを着て、居酒屋に行ったり、散歩に出かけたり、記者会見場に現れてみたり、と熱心に宣伝活動にも励みました。

 僕は映画とかを、歌舞伎役者の目で見ていることがあって「あっ、これは歌舞伎でやれる」と思うことがあります。映画「スパイダーマン」を見たときも、歌舞伎版「スパイダーマン」がひらめいたんです。情けない岡っ引きがある日、クモにかまれて、するとその日から難事件が次々と解決していく。実はクモにかまれた岡っ引きがクモ男になって解決していたという話なんです。歌舞伎の「土蜘(つちぐも)」という演目の中に、何本もの糸をパッと飛ばす演出がありますが、あれをやるんですよ。「ぶっ返り」(一瞬で衣装を変え、本性を現す)とか歌舞伎にもSFX(特殊視覚的効果)がありますしね。(聞き手 水沼啓子)

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