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【主張】和食文化の継承 内外で魅力の発信強化を

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産経新聞

 郷土料理など和食文化の継承と海外への発信強化に向けた政府の取り組みが進んでいる。

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 近年、日本人の食に対する志向が手ごろな食材に向かう傾向にあり、家庭で和食を調理する機会が減ってきたことへの危機感が背景にある。

 和食文化の価値を高めて次の世代に引き継いでいくことは、日本の伝統文化を守り育てることにつながる。

 無形の文化は、意識して保護し継承していかねば消えてしまいかねない。そうならないよう和食の魅力を見つめ直したい。

 農林水産省の食文化に関する小委員会が、和食文化の継承や海外普及について今後5年間の政策提言をまとめ、野上浩太郎農水相に答申した。2年後には、和食が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されて10年となり、4年後には大阪・関西万博が開催される。これらを和食の良さを国内外に発信する好機と捉えて具体的な施策を進めたい。

 内容は、国内で展開すべき施策を地域、学校、家庭の3つに分類した。地域については、「食文化継承の鍵を握る」と位置付け、農作物などの生産者や料理人、旅館やホテルなど多様な関係者を中心とした、和食文化の発展と継承のモデル地域を全都道府県に置くことを提言した。

 学校における和食文化の取り組みの重要性も指摘した。食育や給食の内容は学校によってさまざまだ。例えば、老舗料亭や食文化を継承する多くの料理人が身近にいる京都市立高倉小学校は学年ごとに食育カリキュラムを作る取り組みが注目を集めている。こうした地域の特色を生かした動きが全国に広がれば、若い世代にも和食文化の一層の浸透が期待できる。

 家庭向けでは簡単レシピの開発と普及を提唱した。家庭において和食は、出汁(だし)をとったり、季節の素材を生かしたりして手間がかかるという印象から、調理が難しいと思われがちだ。一方で、コロナ禍に伴い自宅で料理する人が増えたとの農水省のデータもある。簡単レシピなどを活用して和食への理解を深め、家庭の和食離れを食い止めるきっかけとしたい。

 海外では、発酵食品を使用した健康的な和食への関心も高まっている。宗教や地域ごとの食習慣を踏まえつつ、世界の人々に和食を楽しんでもらえるよう普及活動に工夫をこらすことが大切だ。

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