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【主張】日銀の政策修正 副作用減じ機動的に動け

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産経新聞

 日銀が、大規模な金融緩和策を今後も持続的に実施できるよう、緩和が及ぼす副作用を軽減する政策の修正を決めた。

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 新型コロナウイルス禍で国内外の経済の先行きが見通しにくくなっている。景気が一段と悪化したとき機動的に対応するため、政策効果を高める措置を今から講じておくことは有益である。

 金融機関の収益を悪化させるマイナス金利政策の深掘りは難しいなどとする日銀の緩和限界論を払拭するためにも、分かりやすく丁寧な政策運営に努めてほしい。

 日銀の黒田東彦総裁が8年前の就任時、2年で実現するとした2%の物価上昇率目標はいまだ達成されず、そのめども立たない。米連邦準備制度理事会(FRB)が事実上のゼロ金利政策を2023年末まで維持する見通しを示すなど、欧米でも金融緩和は長期化している。日銀も腰を据えて持久戦を乗り切らなくてはならない。

 その障害となるのが金融緩和の副作用だ。日銀の超低金利政策が利ざやで稼ぐ金融機関の収益機会を奪い、日銀による大量の上場投資信託(ETF)購入が株式市場をゆがめたなどと批判される。

 いくら緩和を続けても、収益の悪化した金融機関が企業への貸し出しを減らすような事態を招いては逆効果である。

 このため日銀は、短期金利のマイナス幅を拡大する場合、金融機関に対して収益悪化を和らげる金利を適用する仕組みを作った。

 0%程度に誘導している長期金利は上下0・25%程度の変動幅を認めて債券売買の活性化を促す。ETFは原則年6兆円程度の目安を撤廃し、必要に応じて機動的に買い入れる。

 日銀は今回、従来の政策効果を点検した上でこうした措置を決めた。経済情勢に応じて適切に政策を修正する柔軟さは大事だ。ただし、細かく修正を加えた結果、金融政策がますます複雑になり、その全体像が捉えにくくなっていることには懸念を覚える。

 そもそも2%の物価上昇率目標は本当に達成できるのか。そのための政策手段が複雑になればなるほど、かえって本来の目標実現に向けた道筋が見えにくくなっているのではないか。こうしたことが金融政策の効果に対する人々の期待感を損ねる一因になっていることも、日銀は併せて認識しておかなくてはならない。

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