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【主張】総務省の接待問題 疑念晴らす明確な説明を

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産経新聞

 総務省幹部らが放送事業会社「東北新社」とNTTから接待を受けていた問題で、参院予算委員会に両社の社長が参考人として出席した。

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 東北新社は、放送法の外資規制基準に抵触したまま衛星放送事業の認定を受けており、総務省の審査体制と接待の関係が疑われている。

 総務省はすでに認定の取り消しを決め、外部有識者で構成する検証委員会を設けて近く調査を始める方針だが、焦点は接待を通じて行政がゆがめられていなかったかの一点にある。

 ところが武田良太総務相は委員会で「申請書のミスが主たる原因とはいえ、総務省の審査も十分ではなかった」と、ミスと杜撰(ずさん)な審査に問題を矮小(わいしょう)化してしまった。そこに「接待」がどう関わったのか。検証委員会が調査すべき最優先課題である。

 放送法では衛星放送事業者の外資出資比率を20%未満と定めている。4年前に認定を受けた東北新社は当時の外資比率が20%を超える違法状態だった。同社の中島信也社長は予算委で「認定から約半年後に違法性を認識し、総務省担当部署と面談して報告した」と説明したが、総務省側は報告を受けた事実はないと否定している。真相は闇の中のままだ。

 NTTの澤田純社長は総務省官僚に対する接待の回数などは示したが、国会議員に対する接待については明言を避けた。「個別にどなたと会食したか否かを公開すると事業に影響がある」と述べる一方で、「日ごろから与野党国会議員をはじめとして懇談する場を設けている。業務上の要請、便宜を受けるという話はしていない」とも語った。これは矛盾している。問題のない懇談が事業に影響する理由が分からない。

 菅義偉首相、武田総務相は「国民の疑念を招くような会食、会合に応じたことはない」と述べ続けている。NTT側の証言と合わせて推し量れば、会食の事実はあったのだろう。それを否定とも肯定ともつかぬ答弁を繰り返すから、疑念がいや増すのだ。

 現実的で実効性ある政策を打ち出すには民間事業者との意見交換が必要な場合もある。国家公務員倫理規程の対象外である政治家と官僚を一律に論じることはできない。疑念を招く心配がないなら、まず事実を明確に説明するところから始めてはどうか。

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