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【主張】日米豪印首脳会合 対中抑止へ積極的活用を

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産経新聞

 日本、米国、オーストラリア、インドの4カ国(クアッド)が初めての首脳会合をテレビ会議形式で開催し、「クアッドの精神」と題した共同声明を発表した。

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 声明は「自由で開かれたインド太平洋」推進に向けた結束を確認し、中国の海洋進出を念頭に、東・南シナ海で「ルールに基づく海洋秩序への挑戦」に協力して対応すると強調した。

 新型コロナウイルスワクチンの供給拡大や気候変動問題への連携のため3つの作業部会を設置することや、首脳の対面会合を年内に実施することも明記した。

 太平洋、インド洋を囲むように位置し、法の支配や民主主義といった共通の価値観を持つ4カ国が同じ方向を向き、さまざまな分野で協力する意義は大きい。

 最大の目的は強大な軍事力、経済力を背景に覇権主義を強める中国を抑止することだ。

 会合で菅義偉首相が、中国が海警局に武器使用を認めた海警法について「国際法の観点から問題がある規定が含まれている」と指摘したのは妥当だ。力ずくの海洋進出やそれを正当化しようという試みは絶対に認められない。

 菅首相が香港の選挙制度をめぐる全人代の決定や、新疆ウイグル自治区の人権状況について懸念を表明したのも当然である。

 中国に態度を改めさせるため、4カ国が中心となり、東南アジア諸国連合(ASEAN)などと連携し圧力をかけねばならない。

 日米豪印の枠組みやインド太平洋構想はそもそも、日本が提唱したものだ。今回の首脳会合はバイデン米大統領の呼びかけで開催されたが、同政権の対中抑止への決意や、それに向けた日本との関係重視、クアッド活用への意欲の表れと受け止めるべきだろう。

 コロナウイルス対策での共同歩調を打ち出したことも、積極的な「ワクチン外交」で影響力を強めようとする中国への対抗策として重要である。ワクチンの供給拡大に向け、インド国内でのワクチン生産を日本などが資金面や物流分野で支えることは、現実的で有効な4カ国協力といえる。

 共同声明に、北朝鮮の非核化への関与やミャンマーでの民主主義回復の必要性のほか、日本人拉致問題の即時解決の必要性も盛り込まれた。日本としても、国際世論の形成などで、この枠組みを活用していきたい。

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