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【主張】米安保戦略指針 「対中融和」の懸念残った

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産経新聞

 バイデン米大統領が「国家安全保障戦略」の暫定的な指針を発表した。数カ月後にまとめる本格的な安保戦略に向けた政権の外交・軍事の基本方針といえる。

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 指針は中国を「安定的で開かれた国際システムに持続的に挑戦できる唯一の競争相手」と規定した。ブリンケン国務長官も外交演説で中国の台頭を「21世紀における最大の地政学的試練」と明言した。対中抑止への決意が示された点は歓迎したい。

 一方で中国と協力する可能性にも言及し、融和的との懸念を払拭したとは言い難い。加速する中国の覇権追求を抑止するため、日本や豪州、北大西洋条約機構(NATO)との共同行動の具現化が、焦眉の急である。

 トランプ前政権は2017年末に策定した国家安保戦略で中国をロシアとともに「現状変更国家」と名指しして「力による平和の維持」を打ち出した。同政権のペンス副大統領の演説は「関与から対決」を明確にし、ポンペオ国務長官は「専制国家」との対決に民主主義国家の「新たな同盟」構築を訴えた。

 この対中認識と方向性はバイデン政権で強化されねばならない。ところが、指針にはオバマ政権時代に失敗した「関与政策」の遺伝子が残されているようだ。国益に資する中国との協力は排除すべきでないとし、気候変動に加え医療・保健、軍縮といった分野での「中国政府の協力を歓迎する」とわざわざ表明した。

 中国が欧州やアジアに国産コロナワクチンを供与して影響力を拡大している。軍縮も中距離核ミサイルの配備を進める中国には圧力を強めるのが先決だ。

 また北朝鮮の「非核化」に言及しなかったのは、金正恩政権に核保有を容認するかのような印象を与えかねない。中国は開幕した全国人民代表大会で香港の選挙制度見直しによる「中国化」を完成させ、東シナ海など海洋支配の正当化を図るはずだ。

 抑止の要となるインド太平洋における米軍兵力は、指針で重点配備の考えを示した。「負担の共有」も含めた同盟国とのすり合わせは不可欠だ。

 日本に受け身の姿勢は許されない。日米豪とインドの4カ国連携を柱に「自由で開かれたインド太平洋」の具体化へ周到な準備が求められる。

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