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【主張】韓国大統領の演説 具体策なき言葉は無用だ

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産経新聞

 韓国の文在寅大統領が日本の朝鮮統治時代に起きた「三・一運動」を記念する式典の演説で、日本との歴史問題について「被害者中心主義」に立つと強調した上で、「いつでも日本政府と対話する準備ができている」と語った。

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 文氏は「過去の問題は過去の問題として解決し、(両国関係の)未来志向的な発展に一層、注力せねばならない」とも述べた。

 対日融和姿勢を示したとみなすのは早計だ。演説には関係改善に向けて韓国側がどのように行動するかという解決策の提示がなかった。行動を伴わなければ期待することは難しい。

 加藤勝信官房長官が会見で「懸案解決のため韓国側の具体的な提案を注視していきたい」と述べたのは妥当である。

 はっきりさせておきたいのは、両国関係を国交正常化以来最悪の状況にしたのは、ひとえに韓国側に責任があるという点だ。

 文氏は大統領就任後、慰安婦問題をめぐる2015年の日韓両政府の合意をほごにした。いわゆる徴用工訴訟で、日本企業に賠償を命じた韓国最高裁判決を受けて両国関係が悪化しても、「日本企業の資産が売却される事態は望ましくない」と語るだけで、事態是正へ動いていない。

 韓国側の補償要求は1965年の国交正常化の際の日韓請求権協定に反している。補償要求も日韓合意をほごにしたのも韓国側の国際法違反である。そのうえ韓国側は史実をねじまげて、慰安婦が性奴隷で、徴用工は過酷な強制労働だったという虚偽の宣伝で日本を攻撃している。

 被害者は日本の方である。

 複数の韓国紙は、バイデン米政権が日米韓3カ国の連携を重視していることが文氏の今回の演説に影響したと分析している。米国向けのアピールにすぎないのか。

 両国関係改善の希望を口にしながら、韓国側がこじらせた問題を解決する具体策をなんら提示しないのは文氏の常套(じょうとう)手段である。狡猾(こうかつ)と言っていい。

 文氏は今夏の東京五輪・パラリンピックについて「韓日、南北、朝日、朝米間の対話の機会になる。東京五輪の開催成功のために韓国は協力する」とも述べた。臆面もない発言に違和感を覚える。スポーツの政治的中立を求める五輪憲章を読んだらどうか。

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