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【主張】内閣広報官の辞職 信頼回復に全力を尽くせ

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産経新聞

 山田真貴子内閣広報官が辞職した。体調不良を訴え入院したためだ。

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 総務審議官当時に菅義偉首相の長男、正剛(せいごう)氏らから7万円超の高額接待を受け、問題化していた中での辞職である。

 内閣広報官は、首相の記者会見などを仕切る重職で、首相官邸の顔ともいえる存在だ。厳しい世論の批判にさらされる中、問題発覚後も山田氏を続投させた首相の判断は甘かった。

 コロナ禍への対応など、菅政権が取り組むべき課題は多い。大きく損なわれた政権への信頼を回復するためにも、菅氏は先頭に立ち、自らの言葉で真摯(しんし)に国民に語りかける姿勢が求められる。

 菅氏は接待問題について「私の家族が関係をし、公務員が国家公務員倫理法に違反する行為をすることになったことについて申し訳ない」などと陳謝した。

 接待には、総務相経験者として総務省に強い影響力を持つ首相の長男が関わっていた。当初は長男について「別人格」とするなど人ごとのような発言をし、対応が後手に回った。

 菅氏は大阪など6府県が緊急事態宣言の先行解除の決定を受けた2月26日、記者会見を見送った。山田氏が司会役のため、会見をとりやめたとの見方が出ていた。新型コロナとの戦いの渦中なのに身内をかばおうとした結果、逆に山田氏の辞職を招いた感がある。

 山田氏は総務審議官だった令和元年11月、東北新社社長や正剛氏らと会食し、約7万4千円分の接待を受けた。首相の厳重注意を受け、給与月額の6割の自主返納を表明した。総務省は減給など計11人の処分を発表している。

 正剛氏らとの会食が、国家公務員倫理法に基づく倫理規程が禁ずる利害関係者からの接待に当たるためである。同法は旧大蔵省の接待汚職の反省から平成12年に施行された。その遵法(じゅんぽう)意識どころか官業のなれ合いが復活している。

 武田良太総務相は「現段階で行政が歪(ゆが)められた事実は確認されていない」と述べたが、真相解明にはほど遠い。副大臣をトップに省内で検証するというが、お手盛りの調査は許されない。

 折から国会では一般会計総額106兆6097億円となる令和3年度予算案が衆院を通過した。予算の適切な執行には国民の理解が不可欠だ。菅氏は政治不信の払拭に努めるべきである。

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